残酷なほどに美しい愛を３《M.Jun》 (ページ8)

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美絵子さんの部屋で生活するようになって一週間が過ぎた。

仕事はここから通ってるし、アノ人にはあれ以来会ってない。

平穏な日々が過ぎて行く。

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今日は美絵子さんは外で食べてくるらしく、久し振りの1人での食事。

いつもは二人で色んなこと喋りながら食べてたから、美味しそうに食べてくれる美絵子さんがいないのはちょっと寂しい。

潤さんから電話が掛かってきたのは、そんな頃だった。

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》久し振り。全然連絡できなくてゴメン。
なんか変わったこととかない？大丈夫？

潤さんは相変わらずの心配性(笑)

『大丈夫だよ(笑)』

》そっか。なら良かった。

本当に安心したような声。

電話の向こうで凛々しい眉を下げている彼の顔が浮かんで、笑いそうになってしまう。

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》アイツの事なんだけどさ…

『……うん』

その言葉で、さっきまでの幸せな気持ちはパチンと音をたてて、まるでシャボン玉のように呆気なく消えた。

あの日の事が頭の中を駆け巡って、カラダ中に残るキモチワルイ手の感触を思い出す。

》明日、会うことになった。優弥の店で。

『うん…』

》来れるんだったら来てもいいし、来たくないんだったら来なくてもいい。

『うん…』

爪を立てたまま左手で右腕を握る。

潤さんの声が、爪が皮膚にくい込んでいく痛みが、私を正気でいさせてくれる。

》後で連絡して？来るか来ないか。
取り合えずゆっくり考えな？

『…わかった………ありがとう』

》じゃあ…おやすみ

『おやすみなさい』

ツーツー…と聞こえても、なぜかスマホを耳から放すことが出来なかった。

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