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◇3-20◇ ページ20
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きっと私はちゃんと健司さんが好きだった。
初めての恋を大切に大切に育んでたつもりだったけど、どこかで間違ってしまったみたい。
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『……私は健司さんのおかげで色んなことを学べたんです』
人を好きになる気持ちも、
胸が苦しくて不安になるのも、
上手くいかないもどかしさも、
別れるつらさも
…全部、全部、健司さんが教えてくれた。
「これからも俺が教えるよ！ずっと、ずっと俺がAに教える。
妻と子どものことは何とかするから！！やり直そう。俺とやり直そう!!」
静かな店内に健司さんの声が響いた。
『……てください…もう、やめて！』
私はそんなこと望んでない。
『そんなこと言わないでください…』
鼻の奥がツンとする。
じわりじわり涙で目の前が滲む。
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………泣きたくないよ。
手のひらを強く握って、痛みで涙を誤魔化してみた。
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作者名：riyona
| 作成日時：2013年8月21日 20時
