残酷なほどに美しい愛を３《M.Jun》 (ページ16)

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「もう少しで時間だから、ここで待ってな？」

きっとこれは、潤さんが来る前に私がアノ人と会わないようにするため。

『ありがとう』

優弥さんの優しさに甘えて個室に入ると、すぐに最近付けたドアベルがカランカランと音をたてて、誰かが来たことを知らせた。

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「今日はお忙しい中ありがとうございます。あの、迷いませんでしたか？」

「ええ、まぁ…少し」

閉めた扉の向こうで聞こえるアノ人の声。

あの日を思い出して、怖くなる。

「そうですよね(苦笑)自分でも思うんですよ。ホント分かりにくい場所に店出しちゃったなって」

「そう…ですか。…あの、それでお話って…？」

「ああ、すみません。もう少し待ってもらえませんか？たぶんもうすぐ来ると思うんで」

そう優弥さんが言ったら、ドアベルが一段と大きな音をたてて、ドタドタと階段を下りる音。

『ごめん！遅くなった！』

いつもはスマートに階段を下りる彼がそんな風に下りてきたことが可笑しくて、声を堪えて笑うと重くなっていたココロがちょっとだけ軽くなった。

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