残酷なほどに美しい愛を３《M.Jun》 (ページ14)

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お店に入って座ったのは、やっぱりいつもの席。

カウンターの向こう側にいる優弥さんは、長くなったダークブラウンの髪を鬱陶しそうに後でひとつにまとめてる。

「頬っぺたも鼻先も真っ赤。どんくらい待ってたの？」

『う�・ん、分かんない(笑)』

時間なんて見てなかったから分かんなくてそう言えば、

「分かんないの？なんだよそれ(笑)」

ってクスクス笑われた。

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「なんか飲む？」

『それは優弥さんのおごり？(笑)』

「はいはい、そーですよ(笑)」

『じゃあ飲む(笑)』

「では、少々お待ちください」

ペコリと下げた頭を上げると優弥さんは、キリリとしたバーテンダーの顔になる。

さっきまであんなに笑ってたのにね？

本当に別人みたい…

いつも飲む時はあんまり気にして見てない“バーテンダー”の優弥さん。

しなやかに動く長い指。

無駄のない動き。

綺麗だなって見ていたら、グラスが目の前に置かれる。

「ホットワイン。あったまると思うよ？」

『ありがとう』

深みのある赤色。
スパイシーな香りが辺りに漂った。

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