EP 1 ページ3
『おはようございます。』
普段はうるさく賑わう教室の中も、今は物音一つ鳴らない。当たり前だろう、この教室には私以外の人間が居ないのだから。
生徒会の仕事は、その都合上外に持ち出せないものが多い。そのため、開門に合わせて登校し、朝礼が始まるまで仕事をやるのだ。
登校してから30分も過ぎれば、教室の中は若干の賑わいが出てくる。時計をちらりと確認すると、7時50分。そろそろ、アレの時間だろう。
時刻が50分から51分に変わった瞬間、教室が、廊下が、いきなり騒がしくなる。生徒会長サマ御一行のご登場だ。
さっきからキャーキャーと叫び続ける人が続出しているのも彼らのせい。大方目が合ったとか自分に向かって微笑みかけたとかいう狂信者の戯言なのだろうが。
別に私とて、彼らが嫌いな訳では無い。彼の言葉に突き動かされたり奮い立たされたりしたことは何度もある。この人になら着いていきたいと、選挙の時には彼の名前を書いた。彼が当選した時も、彼で良かった、と一安心したものだ。
けれど。
『仕事をしないなんて聞いてない。』
本来は生徒会のサポートをする生徒会執行部が、生徒会の仕事をしているのはそういう理由だ。
仕事をしろ、なんてそんなことを言ったところで彼らは仕事なんぞしてくれないし、今日もどうせゲームに興じるだけなのだろう。そして、それを遮るように私が仕事を渡す。彼らはそれを置いて逃げて、結局期日ギリギリになって副会長の鶴の一声で業務を何とか終わらせ、またゲームに明け暮れるのだ。その結果、注意をしていた先生も呆れ諦め、生徒会執行部に全てが一任されてしまった。
生徒会執行部は、人の入れ替わりが激しい。生徒会に近づく目的で入ってきて、仕事をやらないお陰でクビになり、また新しい人が入ってきてクビ。結局、残ったのは自分だけになってしまった。正直なところ、教える手間もなく、ただ自分が社畜のごとく働けば良いだけなので、全く問題は無いと思っている。
けたたましく叫ぶ狂信者たち。
それに微笑みかける生徒会のメンバー。
さらに声を上げる人々。
収拾がつかなくなった、このうるさい教室で、私は再びペンを取った。
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鈴華(プロフ) - 電球ソーダさん» ありがとうございます！！！そう言ってくださると力になります…！！ (2021年7月8日 18時) (
レス) id: a228d6db47 (このIDを非表示/違反報告)
電球ソーダ(プロフ) - いいお話ですね！とっても自分好みです！ (2021年7月8日 18時) (レス) id: 9b3bfa43e1 (このIDを非表示/違反報告)
鈴華(プロフ) - [ ]さん» ありがとうございます！！移行前の方のコメントもありがとうございます！返信できなくてすみません！頑張ります！！ (2021年6月28日 7時) (レス) id: a228d6db47 (このIDを非表示/違反報告)
[ ] - 鈴華さん» 最高です！これからも更新頑張ってください！ (2021年6月27日 23時) (レス) id: 0e1dc47b5f (このIDを非表示/違反報告)
鈴華(プロフ) - おたろさん» 素晴らしく好きですか！？！？元々ある奴を移行してきた奴なので、めちゃ長く続きます… (2021年6月27日 16時) (レス) id: a228d6db47 (このIDを非表示/違反報告)
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