【d！】【短編集】恋愛カルテ (ページ12)

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「せやなぁ…Aやったら、一日、俺とシャオロンが2人じめ、とかどうや？」

ニヤッと笑った大先生に、私はきょとん、ひとらんはびっくりする。私は、え、そんな事で良いの？と、思ったのだけど、ひとらん的に何故か許せないらしい。

「待ってろA。すぐ蘇生する。」

異常な集中力と、ひとらん持ち前の雑さで、敵を蹴散らすひとらん。怖がる、なんて言葉を知らないかの様に進んでいくひとらんに、私はただ恐れ慄くばかり。なんでなん…？さっきまでのビビリはどこへ…？

「お～、頑張れげどちゃん。」

「最後まで2人とも生きてたら、デート行ったらどうや？」

シャオロンとクズの言葉にも一切反応しないひとらん。見事に私を復活させ、ふふんと得意げに笑う。なんか子供っぽくて可愛いな…？抱きしめても良いだろうか？

…許可なんて知るか。何も言わずにひとらんにぎゅっと抱きつく。

「んおっ！？な、何！？」

急な私の行動に驚いたのか、ゲーム中かって言うくらいどでかい声を上げるひとらんに、驚いた顔をしたシャオロンとくず。まあそうだよね。急に異性に抱きつく人、そうそう居ないわ。

「ん～？ありがとぉ、って。」

「いや、2人とデート行くとか嫉妬しかしないから…。」

「ん？なんか言った？」

「いや、何も。」

ホラゲの画面なんぞ知るか！と言う様に、2人で話す。シャオロンとくずは、なんか気まずそうな顔で部屋を出て行った。…え、出てかんで？こっちも気まずい！

とか思った私は、これがシャオロンと鬱の陰謀で…私たちを付き合わせるためのものだと、まだ知らない。