可愛くない後輩〜syp~ ページ44
「デートしましょ、先輩。」
部活の帰り道、後輩からそう声をかけられたのは一昨日のこと。剣道部の主将を務める私は、学内でもまあ有名な方で、女子人気だけは断トツ。後輩に限らず、去年までいた先輩女子からも、デートを申し込まれたり、バレンタインにチョコをもらったこともある。うぬぼれることが許されるなら、そこらの男子より格好いいのかもしれない。
…が、それは女子だけのお話。男子には告白どころかデートに誘われたことすらなくて、彼氏なんていたことがない。きっと高校も男子からは「姉御」的な扱いをされるんだろう。
―――と思っていたのは数か月前までの話。最近私は、異様なほど私に好意的な後輩の男の子に悩まされている。
「先輩めっちゃ可愛いすね、その服で外出するときは俺がいるときだけにしてください。」
「あ、りがと…けど、ちょっと無理、かな。」
駅前で合流してすぐ、真顔で淡々と褒めてくるこの男。身長が高く、決して華奢とは言えない私に、可愛いなんて言うのはこの男だけ。かくいう彼は、私より少し高い身長のくせに華奢で、その上モデルのようにおしゃれときた。ふわふわした茶髪に控えめにつけられたリング類は彼の容姿の良さを際立たせいる。
「先輩、デートなんで手、繋ぎましょ？」
「お断りします。」
彼の容姿の良さに気後れしながら距離をとった私に、手を差し出す彼。頬いながらも角ばった、以外にも男らしい手が差し出される。もちろんその手を取ることはない。だって別に付き合ってるわけでも好きなわけでもなくて。
「…デートはしてくれるのにすか。」
「デートじゃないからです。」
すねたように小さな声で恨み言をいうかれに、視線を外しながら答える。だって今日はデートじゃない。最初こそデートと銘打たれたけれど、よくよく聞けば、ある人へのプレゼントを選びたいから付き合え、とのことで。彼はちょくちょく、こんな冗談を言う。それに翻弄されるのは、もう辞めたんだ。男慣れしてないからって遊んでくるこの迷惑な後輩に遊ばれない為に。
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鈴華(プロフ) - 目玉焼きさん» ありがとうございます〜！好きって言ってもらえるとやっぱりモチベ上がるので嬉しいです！更新は亀ですがお付き合いください…！ (2022年4月1日 15時) (
レス) id: a228d6db47 (このIDを非表示/違反報告)
目玉焼き - コメント失礼します遅れましたが続編おめでとうございますこの短編集すごく好きでしてこれからも頑張ってください応援しております (2022年3月27日 18時) (レス) id: 81c89ca802 (このIDを非表示/違反報告)
一月鈴華(プロフ) - モカブラウンさん» ありがとうございます！！今後も頑張っていくのでよろしくお願いいします。 (2021年2月20日 15時) (レス) id: f7d3b28b6f (このIDを非表示/違反報告)
モカブラウン(プロフ) - 続編おめでとうございます！ これからも更新頑張ってください！！！応援してます！ (2021年2月20日 14時) (レス) id: e467f9631d (このIDを非表示/違反報告)
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