メリーさんからの電話〜sha〜 ページ15
「あたしメリーさん。今、ゴミ捨て場にいるの。」
…は？
「あたｷﾞｶﾞｶﾞリーさｻﾞｻﾞみ捨て場にいルの。」
…は、え？私の耳元で聞こえる、機械じみた嫌な声。…いや、音？耳に当てたスマホから聞こえる、知らない連絡先からの知らない声。女の子みたいな高い声だけど、これが機械によって作られた声だとするなら、それもどうかと考えさせられる。
冷静に考えろ。今私が陥っている状況、所謂心霊現象、メリーさんからの電話。普通に考えれば、これは悪戯と考えるのが妥当。しかし残念なことに…私には、こんな悪戯仕掛けてくるような友人はいない。そこから鑑みるに、ただの迷惑電話。無視して切るに限る。
「あたしメリ」
知らんがな。ちょっとイラっとしながら電話を切り、はぁっとため息をつく。残念だったなメリーさん。私は現在外出中。彼氏との待ち合わせ中で、少しだけ人通りの少ない場所に立っている。…人込みに行ったほうがいいかな、ちょっと。ビビってるわけじゃないけど。
「早く来ないかな…。」
遠くから今すぐにでも来てくれないかな。目の前を通り過ぎていく人々にため息をついちゃって、慌てて飲み込む。手の中に収めたスマホをぎゅっと握りしめて…。
「…っ！？」
震え始めたスマホにびっくりした。通知か、なんだ…。消音モードに普段からしてるから、通知は全部スマホが震えるだけ。なんだろ、シャオロンから連絡でも来た？それにしては継続的に震えてるね。不思議に思ってスマホ画面を見る。…電話。しかも、知らない、番号。いや、そんな、何回も同じ人からかかって来る訳ない。…ない、よね？そう思って、恐る恐る電話に出る。
「…はい。」
「ふふっ、あたしメリーさん。今、カフェの前にいるの。」
っ！？電話越しに聞こえた、機械越しの嫌な高い声。楽しそうな笑い声がほんの少しだけシャオロンと被って気持ち悪い。シャオロンに早く会いたい。シャオロンはこんなに高い声じゃないし。カフェ、そう聞いて、一瞬身震いする。私の脳内に流れたのは、私がここに来るまでに通ったカフェ。…まさか、そんな訳。
「たち悪い悪戯、やめてくれませんか。」
「あたしメリーさん。今、郵便局の前にいるの。」
「…っ！」
一か八か、言ってみたものの、予想通り私の言葉を気にする様子はない電話の奥の、メリーさん。微妙に近くなってきている。…もしもこれが、私の居場所を理解しているとすれば。
「…もう、やだ。」
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鈴華(プロフ) - 目玉焼きさん» ありがとうございます〜！好きって言ってもらえるとやっぱりモチベ上がるので嬉しいです！更新は亀ですがお付き合いください…！ (2022年4月1日 15時) (
レス) id: a228d6db47 (このIDを非表示/違反報告)
目玉焼き - コメント失礼します遅れましたが続編おめでとうございますこの短編集すごく好きでしてこれからも頑張ってください応援しております (2022年3月27日 18時) (レス) id: 81c89ca802 (このIDを非表示/違反報告)
一月鈴華(プロフ) - モカブラウンさん» ありがとうございます！！今後も頑張っていくのでよろしくお願いいします。 (2021年2月20日 15時) (レス) id: f7d3b28b6f (このIDを非表示/違反報告)
モカブラウン(プロフ) - 続編おめでとうございます！ これからも更新頑張ってください！！！応援してます！ (2021年2月20日 14時) (レス) id: e467f9631d (このIDを非表示/違反報告)
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