６本目 ページ6
「いやでもさ、推しの話聞いたことないけど。」
「私もないわ。誰好きなの？てか何好きなの？」
カバンに顔をうずめて逃げようとする彼女に、友人らが割と無表情で詰め寄る。しっかり女子高生してる彼女に微笑ましくなるけど、結構真面目気になる。…マイクラ実況してるトントンさん…とか言わへんかな。したら俺今すぐここに挙手して名乗りでんで。彼女からしたら、推しに会えてハッピー、俺からしたら、好きな子に好きって言ってもらえてハッピー、win-winやん。…なんて奇跡、さすがに起きんか。
「…その、語っちゃうから黙ってただけで。」
もごもごと話しずらそうに言葉を発する彼女に、友人たち＋俺が耳を傾ける。語っちゃうとか別にええやん。てか俺に向けて語ってくれ。永遠に聞いたるから。その声で永遠に話しててくれ。
「マイクラ、実況界隈の…。」
ガタン、足元で音が鳴る。彼女の言葉に衝撃を受けた俺が、バスの床に思いきり足をぶつけた音。バス中の視線が俺に刺さり、正直くそ気まずい。幸い、顔見知りといえるような人が多かったものの、彼女の友人たちが俺を見る様子は怪訝で、居心地が悪い。彼女も俺に視線を向けて、目が合った瞬間、可笑しくて仕方ないとでもいうように笑った。…え、可愛い。なんなん、今日記念日なん？マイクラ実況好きとか嬉しい情報でるし笑いかけてくれるし。あれやな、調子ええから、俺のこととかいうかも知らんな。ええやんええやん、今日家帰ったら気持ちよく編集できそうやわ。
「えと、その、改めて。マイクラ実況界隈、好き、なんだ？」
「うん、で、推しは？」
「名前言っても分からないだろうけど、…推しは。」
俺の足の音をきっかけに、だんだん彼女の声色が落ち着いてはきはきと話し始める。友人たちもすぐに俺から興味を失って、彼女の話に意識を戻す。にっこり、幸せそうに笑った彼女が、鞄をぎゅうと抱きしめて、思い出して愛おしむ様に、言葉を紡ぎだす。
「ゾム、さん。」
…え？
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鈴華(プロフ) - 暇人な名無し__低浮上ガチ勢さん» 純愛いいですよね！！読んでいただいてありがとうございます！年齢は、一応20代のイメージで書いていますが、はっきりと年齢を評価する予定はないので、ご想像にお任せします…って感じですね。流石に60代とかは無理がありますが…（笑） (2021年9月25日 9時) (
レス) id: a228d6db47 (このIDを非表示/違反報告)
暇人な名無し__低浮上ガチ勢(プロフ) - 純愛ってやっぱりいいですね…！もどかしくもあるけど心がほんわかします。あと、tnさんって何歳位をイメージして書いていますか？大体この辺かな〜位でも……お願いします！ (2021年9月25日 9時) (レス) @page24 id: a2e3bf4b62 (このIDを非表示/違反報告)
鈴華(プロフ) - 愛月咲良さん» いいですよね！！もどかしキュンキュンできる小説を目指しております！！ (2021年5月14日 18時) (レス) id: 8eeebd5c33 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - うんん…これはほんとに悶える…恋愛物ってやっぱ良いですね…！！ (2021年5月13日 15時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
一月鈴華(プロフ) - レノさん» ありがとうございます〜！！完結までよろしくお願いします！！ (2021年5月2日 19時) (レス) id: a228d6db47 (このIDを非表示/違反報告)
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