関西愛ランド (ページ25)

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〔 taisei side 〕

今さっき前々から考えてた
ホワイトデーのお返しをAちゃんに渡した

「ほんま喜んでくれるかな」

渡したのは丈くんから頑張って
色々聞き出した中から決めた
有名なブランドのパジャマとバウムクーヘンと手紙

「こんなの初めてやから分からんなあ」

Aちゃんはきっと他にも
色々貰うだろうけど、意味を込めて
お菓子を渡したのは俺だけだろうと思って
結構、計画を練った

なんて一人で悶々と戦いながら
家へと帰っていると、電話が鳴り出す

「はい」

『あ、もしもし』

「あ！Aちゃん… 」

主『大晴、ほんまありがとうな。色々と大晴なりに考えてくれたんやろうなあって幸せになった』

「いつもお世話になってるから」

主『そんなん私の方がお世話なってんのに。ちゃんと次泊まりに来る時はパジャマ忘れたらあかんで？せーちゃんにマウント取ろうか』

なんて冗談を挟みながら言うAちゃん
ほんとに、あんまり自分でも
よく分かってへんけど好きやねんな

主『じゃあ気を付けて帰るんやで』

「あのさ、Aちゃん」

やっぱりこのまま帰るのは勿体無い
実はリュックの中には俺のパジャマも入ってる
流れで行けるかな、とか思ってたり…

主『どないしたん』

「やっぱり今日泊まりに行ってもいい？」

Aちゃんは電話越しで笑ってる

主『最初から家上がってたらええのに、ほら早く家来て？一緒にバウムクーヘン食べよ』

「ダッシュする！！」

主『転けてもうたら困る』

「転けへんよ！」

主『大晴おっちょこちょいやからなあ、とにかく家で待ってるから』

「うん、待っててな」

と言って電話を切る
何だか、やっぱりAちゃんには勝てない
こういう大人の余裕みたいなのを俺も欲しい

なんて思いも胸の奥にしまい込んで
Aちゃんの家へと走り出す