【銀魂】山崎退は３２歳にして ようやくモテ期を迎えていたようです【終】

戻れない１７歳 ページ25

この人と会って、私は変わった。



いえ…気付いたと言うべきかな。









いつも考えてた。


「芳のことがバレたらどうしよう」









それは「騙してたことがバレる」から？









ううん、



「私が私じゃなくなってしまう」から。









今ではこの通り、全く意味が違ってきていた。




こんな事を考えちゃうなんて…









私…寂しかっただけじゃない




Aでいられない、存在できないことが寂しかっただけじゃない









自分でも知らない内に、孤独が溜まって、でもそれの吐き出し方なんて分からなくって・・・








そんな時に貴方と出会って


こんな人がいるんだと知ると、余計に自分じゃない自分が惨めになって








守りたいものが何か分からなくなってしまった。









貴「副長さんの話を聞いた時、こんな時こそ山崎さんに会えば何か分かるかもって…そんな気がしてしまったんです」








護りたいという気持ちに嘘はない。









護らなきゃいけないはずだったのに



その人に、芳にあんなひどいことを…









どんな顔で戻ればいいか、教えて欲しい。









情けないのは分かってるけれど。





もう一度、山崎さんに一つ問いかける。









貴「このまま戻らないでも、まだ…あの子を護れる手はありますよね？」









あの子が貴方に酷い事を言ったのは許されることじゃない。





嘘も、そしてこの怪我を負わせた事も…









私も許せない気持ちは持ってる。









だけど…どんな事をしたとしても…友達だから、最後の家族だから






私にとっては…。









貴「やっぱり…ほっとけません」









そして…これが恐らく最後でしょう。





最後に…山崎さんの顔を忘れないようにジッと見詰める。









芳が言ってたな。



山崎さんの事が「好き」なのかって…









「好き」なのは本当だと思う。




恋愛感情かはともかく、「人」として好きなんだって事は分かってる。









こんな人は初めてだった。







もっと出会い方が違ってたら、この人とも良い友達になれたのかな。





あはは…私には無理か。男の人相手だし。だから…こうして









貴「出会えて嬉しかったです」









「さようなら」









少しだけ…我儘言わせてもらえるなら





私の事を覚えてて欲しいです。








ずっと

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