1話 ページ1
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燦々と太陽が輝き、照り付ける中
私はただ、黒塗りの車に静かに身を潜めた。
窓にはさらに黒の網を掛けて、外からは中が見えないように、中からは様子が見えるようにしてある。
「暇だねぇ〜。」
私の隣、運転席に座る男、ソンギュはブロンドの髪を揺らして大きな欠伸を1つした。
「お金が減っていっているわね。」
私達の職業、パパラッチはそのスクープの大きさ、その写真がどれだけ高く売れるかによって
その時の生活費が掛かる。
粗末な物しか食べられないときだってあるし、贅沢できるときもある。
ここまで波のある職業って、そう無いだろう。
SG「あっ、マナー悪。」
吸っていた煙草の吸い殻を外へ投げ捨てた。
ソンギュはそれを見て、眉間にシワを寄せて。
「人のプライベートを撮ってお金にしてんだから。これ以上ゲスい事って無いでしょ?パパラッチにマナーなんて求めるものじゃないわ。」
そう言って、卑屈に笑った。
こんな職業をやってる奴に、まともな奴はまあ、いないだろう。
SG「…性格も悪いなんて。」
「黙んなさいよ、ちょっと。」
前のスクープは、新人グループの奴だった為に、大した値段で売れなかった。
次のターゲットは稼がせてくれればいいんだけど…。
「防弾少年団…か。」
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作者名:しむきん | 作成日時:2017年2月13日 16時