ハンソル夢のまにまに ページ20
▼
「ハンソルこれ落としてたよ、いつも付けてたからお気に入りだったのかな、残念だね」
シュアヒョンにそう言われながら右掌に乗ったそれを眺める。
これボクのじゃない。そういう前にはもうヒョンは居なかった。
ぼうっと右掌と左手首を見つめる。
全く同じだ。
そういえば、ボクこれお気に入りだったのかな。
というか、いつから付けてたっけ。
というか、これ買ったんだっけ、貰ったんだっけ。
「なにしてんの？」
振り返ればハニヒョンが立っていた。
声かけられたのと同時か否かヒョンは掌を覗き込み少し驚いたように声を上げる。
「これ、壊れたの？」
「うん、でもボクのはここにあるから、誰かの」
そう言いながら左手首を掲げるように見せればヒョンはそこに視線を向け少し考え込んでいた。
「これヒョンが貰ってってもいい？」
「壊れてるのに？」
「うん」
ボクの掌からそれを取るヒョンは何処か真剣な面持ちだ。
「ヒョンこれ欲しかったの？」
「んー、かもしれない」
「かもしれない？」
「分からないけど、凄く欲しかった気がする」
まるで宝ものみたいにブレスレットを眺めるハニヒョンにボクも、もう一度自分のを眺める。
「ずっと、羨ましかった」
声に視線を向ければヒョンはまだ壊れたブレスレットを眺めていた。
「なにを？」
「んー、わかんない、」
わかんないけど、今もなんだかハンソルが羨ましいんだよね。
ヒョンはそう言って去って行く。
ヒョンの背中が見えなくなって、またブレスレットを眺める、どうやって手に入れたか覚えてないし、正直自分が買ったとは思えない変哲の無さだ。
でも、
どうして、こんなに大切に思うんだろう。
どうして、ボクは思い出せないんだろう。
どうして、なにか足りない気がするんだろう。
どうしてだろう。
▼
終わり
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ソト(プロフ) - ホタルさん» 素敵なコメントいただけてとても嬉しいです！次の話も楽しんでいただけるよう頑張ります(o^U^o) (2021年11月15日 21時) (
レス) id: 7fc73c3903 (このIDを非表示/違反報告)
ホタル(プロフ) - とても惹かれる作品でした。楽しませていただきました。ありがとうございます。次の作品を作る機会があればまた覗かせていただきます。 (2021年11月15日 2時) (レス) id: 5ea49f3737 (このIDを非表示/違反報告)
ソト(プロフ) - なつこさん» とても嬉しいコメントありがとうございます！こちらの話は一旦お終いですが、次の話も気に入って貰えるよう頑張ります（╹U╹） (2021年11月14日 20時) (レス) id: 4483e25b83 (このIDを非表示/違反報告)
なつこ(プロフ) - めちゃくちゃ大好きです！好きすぎて占ツクで初めてコメントしました笑 更新楽しみにしています☺︎無理来ない程度に頑張ってください！ (2021年11月14日 1時) (レス) @page20 id: 7c5c02582f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソト | 作成日時：2021年10月31日 20時
