story１０ ページ11
出張当日、俺は一緒に行く人を待っている
が
「遅すぎねーか？」
待ち合わせの時間から1時間がたっている
出発はあと４０分後
腕時計とここから来るであろう道を交互に見る
「お、遅れてすみません！」
「あ、来た」
って！女？！
てっきり男かと
「えと、はじめまして。出張に同行させていただきます、秦Aです！よろしくお願いします！」
「ご丁寧にどうも。網引響夜です。よろしく。タメでいーから」
「はい！」
元気な子だな・・・
「入るぞ」
「は、はい！」
さっと入り待つ
この無言嫌いなんだよな・・
てか、この子の声、どっかで聞いたことあるような・・・
「あ、あの！」
「ん？」
「お、お名前の由来はなんですか？」
え
「え、と？」
「あ、すみません！網引響夜という名前、とても素敵だなって・・・な、なかなかない名前ですし！そのっ」
あ、話題振ってくれたのか・・・にしても名前の由来って
「名字は知らんが・・・響夜って名前は母親が、夜に響く鈴虫の音が好きらしくて、それで夜に響くで響夜。でもこの名前、読みが間違う人多いんだよな。ひびやってよく読まれる。名字もだけど」
「そうなんですか・・・名字はなんて間違われるんですか？」
「つなひき」
「つな・・ひき？」
「そう、網と綱って似てるだろ？だから綱って見間違われて、つなひき」
「なるほど・・・」
珍しくこんなに語ってしまった・・
「私もよく中国人？とか言われます」
「まじか」
「まじです。漢字一文字だと中国人っておかしいですよね」
「まぁ、しょうがねーんじゃね」
いろいろ苦労もあるんだな
そんなこんなで飛行機に乗る
これがあの事件のプロローグ
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作者名：罪夜 | 作成日時：2017年8月27日 23時
