闇に、紛れる。 ページ4
スタッ、と猫のような軽やかさで、ザックはレイを抱えたまま地表に降りた。
レ「ありがとう、もう降りるよ」
ザ「おー...」
ザックはそっとレイを降ろして、レイを抱えていた手をぷらぷらと振った。
顔には出さないが、多少疲れていたのかもしれない。
それよりも...。
レ「...ねぇ、ザック。その傷は大丈夫なの?」
ザ「あ?なんのことだよ」
レ「だって、血が...」
窓を破って入ってきたときも、レイを抱えて走っていたときも、ザックの腹部からはじわじわと、しかし確実に血が流れていた。
抱えられていたレイの白いワンピースには、血がべったりとついている。
ザ「なんてことねぇよ。俺だぞ?」
レ「...でも...。...ごめんなさい、今何も手当てするものを持ってない」
ザ「だから大丈夫だっての。」
でも、でも、と狼狽えるレイに、ザックははぁーっとため息をついた。
そして、暗い路地で冷たい建物の壁に寄りかかって腰を下ろす。
ザ「大丈夫だからお前も休め。...疲れただろ」
レ「...うん。ザック、寝てる間に死なないでね」
ザ「死なねーよ」
そう言ってザックは目を閉じた。
寝てしまったらしい。
レ「...。」
ザックの呼吸を見ていたレイも、しばらくすると少し安心したのか、ザックの肩にもたれ、そのまま眠りに落ちた。
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ユエ(プロフ) - あー!おやめ下さい!おやめ下さい作者様ァ!尊死で(私が)死んでしまいますぅー!!!更新待ってますぅぅ! (2022年12月10日 19時) (レス) @page24 id: a74f5e6c73 (このIDを非表示/違反報告)
さにー(プロフ) - フェアリーさん» こんばんは。温かいお言葉ありがとうございます。ゆったり更新するのでぜひお付き合いください! (2019年4月19日 1時) (レス) id: 118c75830c (このIDを非表示/違反報告)
フェアリー - こんばんは!この小説、本当に面白いです!アニメの最終話の後どうなったのか気になっていたんです!2人があの後、こういう生活を送ってたらいいなぁ!と思いました!更新、楽しみにしてます!応援してます! (2019年4月18日 1時) (レス) id: dab684db57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピィッス!! | 作成日時:2018年12月3日 22時