君のためなら。

もういいの ページ22

＊＊＊レイside＊＊＊




「......ザック、好き」




ザ「......！！！」






言ってしまった、と後悔する気持ちと、やっと言えた、という安堵のような気持ちが混ざって複雑だ。






ザ「それって、どういう......」




「そういうことだよ、ザック」






いくらザックの察しが悪いとはいえ、さすがに分かってくれるはず。

こんなにじっと目を見つめて、死んでいると言われる顔にせいいっぱいの感情を込めて、伝えたのだから。






ザ「...レイ、お前、自分が何言ってるか分かって...」




「うん、私は本気だよ。ごめんね、ザック。でも......誓いは守らないと。もう、いいんだ。」






そう。



伝えても、もう遅い。



あのビルの中で、私とザックは、1つの誓いを立てたから。立ててしまったから。



それは永遠の愛の誓いなんていう、幸せなものじゃない。






「......もういいの。私は、死ななきゃならない。」






それは、ザックが私を殺すという、奇妙で、狂ってて......大切な、誓い。






「......この気持ち、伝えられてよかった。」






誓いは守らなきゃいけない。

ザックは嘘が嫌いだ。



ここで私は死ぬ。

そう考えたら、気持ちを打ち明けたこと、本当に良かったと思えた。







「ザック。



















私を殺して」

悪ぃな→←告白

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す