君のためなら。

無理 ページ15

✱✱✱レイside✱✱✱






「......えっ」






ザックはたまに突拍子もないことを聞いてくる。



俺のこと嫌いなの？って......そんなわけない。

私がザックを嫌いになるなんてありえない。

もっとたくさん一緒にいたいくらい、誓いを破りたくなるくらい、......大好き。



そんなことザックに言えはしないけど。






でも、嫌っていると思われるのはさすがに心外だ。

心なしか、ザック、少し悲しそう。






ザ「だってよぉ、お前最近あんまり話しかけてこねえし、撫でられるのもちょっと嫌そう？に見えるし......」



......あぁ。



ザ「それに、今だって目ぇ合わねえし......なぁ、レイ」



俺、なんかしたか。






そうやって力なく、不安そうに尋ねてくるザック。

また、ザックの弱い面を見た気がした。







「......何もしてないよ。気のせいじゃない？」



私はそう答える。

本当は、気のせいじゃないけど。



でも嫌いなんじゃなくて、

嫌いなんかじゃなくて______________









ザ「......そーかよ」



ホッとしたように、柔らかい表情をするザック。

単純......でも......









______________そばにいたら。

もっとたくさん話したら。

そんな表情されたら。









無理。









本当に、









好きになってしまう。

......恋、してしまう。

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