kei. 1 ページ39
温かかった。
背中がずっと、温かかった。
2月の夜。
冷たい空気が周りを埋め尽くしていても。
涙がどんなに私の頬を濡らしても。
雄也が抱きしめてくれた背中が、じんわりと温かかった。
“我慢しすぎるなよ”
その言葉に私は、どれほど救われたことか。
悲しみ、後悔。
そして不安。
そういったものが背中に伝わる雄也の腕のじんわりとした温かさによって、ほどけて溶けていくようだった。
自分一人で解決できるほど、私は大人じゃなかった。
雄也の肩に頭を預け、私は父の葬式の後初めて泣いた。
自分は父の葬式で、泣いてはいけないと思ってた。
泣くだけの、資格がない。
そう思ったのだ。
ひとを偲び、流す涙。
その思い出を振り返り、その美しかった思い出を心にしまう為のもの。
そう教えてもらったことがある。
…あろうことか、今は亡き父に。
あの喧嘩を最後に、私は一度も父と直接会わなかった。
いや、会う努力をしてこなかった。
いくらでも時間とチャンスはあった。
それなのに。
自分は自己都合を優先して、すべきことをしなかった。
父が生きていることに甘んじて、関係を修復しようとしなかった＿＿。
最後に美しくない思い出を作ってしまった私。
そんな私に、
“美しかった思い出を心にしまうための涙”
を流すことができただろうか。
いや、できまい。
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鶏飯(プロフ) - ゆういさん» ありがとうございます!初恋ざぼん。の続編を楽しみにして頂けるのが、とても嬉しいです!今続編の形態について考えている所ですが、何処かでやぶひかちゃん達のことも書けたらな、と思ってます! (2017年5月24日 16時) (
レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆうい(プロフ) - 完結(？)おめでとうございます！お疲れ様でした！めちゃめちゃ面白くてもっともっと読みたいという気持ちになりました。続編も楽しませていただきます！あと、個人的にやぶひかの続きがとってもきになりまする、、、笑 (2017年5月23日 14時) (レス) id: df0b44da28 (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - あんろさん» ありがとうございます！作者自身も思い入れのあるラスト。感動したと言って頂けて、とても嬉しいです!サイドストーリーの方もよろしくお願いします！ (2017年5月21日 11時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - 琴莉さん» ありがとうございます!どうやってたかいのちゃんをくっつけようか、頭を悩ませた結果こうなりました。私自身もこの作品を書くのは大好きでした!また琴莉さんの作品にもコメントさせて頂ける日を楽しみにしてます! (2017年5月21日 11時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - まいまいさん» ありがとうございます!私もまいまいさんのコメントに元気を貰ってます!続編はもうちょっと先になりますが、ゆとちねの方もゆっくり進めて行きますので、よろしくお願いします! (2017年5月21日 11時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏飯 | 作成日時：2017年5月1日 18時
