初恋ざぼん。(tk×in♀) 2

yuto. 2 ページ36

「今日は眠いからごめん。無理。」


そう言われることも、この頃増えてきた。
理由は明確だ。


医師国家試験。
2月の中頃にあると言う。
あと1か月ちょっと、だ。

今は試験勉強の大詰めだろう。

相当疲れているのだろう、彼女が家に来る時もいつもヘトヘトになった状態で夜、家に現れる。



彼女をゆっくり休ませてあげないといけないのは、自分が一番よく分かっている。

けれど、彼女がが一緒にいないと、その不安を取り除くことができなかった。


身勝手なこと。

でもそうなりたくて、なったわけじゃない。
俺がそうなったのにも、ちゃんと経緯がある。


それは去年の、クリスマスにまでさかのぼる。




4月が来たら社会人になる俺と、試験をパスすれば研修医として働く慧。

ある程度大人になってきた俺達。

それなりに時を積み重ねてきたし、周りでチャラチャラしていたやつに比べれば、俺たちは二人の関係は安定していたと思う。


お互い学生最後のクリスマス。
奮発して都内の少し高めのレストランで食事をした。


ドレスコードがあるようなところ。
その分のお金は親に出してもらうのではなく、自分で働いたバイト代で出したものだった。

今まであまりバイトに参加したことはなかったが、自分で稼ぐことの大変さを知った。

そんなお金だったから、有意義に使おうと思ったのである。


周りも幸せそうなカップルだらけだった。
慧もそのレストランに入って、嬉しそうにしていたと思う。

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