yuto. 1 ページ35
隣に眠る、慧を見る。
窓から入る薄くぼんやりとした光が、部屋を包み、慧がその中に浮かんで見える。
薄く開かれた唇。
白くてしなやかな質感の手足。
このところを通い始めた美容院で、変えたと言う髪型。
彼女が初めてその髪型にした時は驚いたが、それはそれはよく似合っていた。
栗色の髪色と丸いシルエットが融合して、美しい。
若い人がやったと言っていたが、かなり腕が良いのだろう。
そんなマッシュルームカットは今、ベッドの上で彼女の頭の重みでくしゃりと形を変えている。
普段は見ることのできない額が、ちらりと覗いていた。
彼女の背中とシーツの間に手を滑り込ませて、腰を抱く。
体裁が崩れたからであろう、彼女は
「んん…。」
と声を漏らし、枕に手をついて今度はうつ伏せになって寝息を立て始めた。
俺の腕には彼女の素肌のひんやりとした感覚と、 生き物としての重さがかかる。
今腕の中にいるのは確かに彼女だ。
また彼女は今、俺の腕の中にいる。
紛れもない事実。
そして、現実。
何が不満なのだ。
いや、不満なのでは無い。
不安、なのだ。
彼女が自分の腕の中にいることの、不確かさ。
自分が繋ぎ止めてなければどこかへふっ、と離れてしまいそうな、不安。
だからこそ毎日のように彼女を家に呼んで、彼女の寝顔を見る。
そうでもしなければ、自分がおかしくなりそうだった。
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まろっぺ(プロフ) - 山田さんどこで出てくるのか教えてほしいです。想像力がないもので… (2018年6月17日 18時) (
レス) id: 5a53f9baf1 (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - まいまいさん» 私も裕翔さんサイドを書いていて、本当に切なくなってました笑。どちらを応援したらいいのやら…。みんな上手く幸せになってくれればいいんですけど…。これからもよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みかさん» 裕翔さん、めちゃくちゃいい人なんですよねぇ…。慧ちゃん、それに気付く日は来るのかしら…。書けるかな、どうかな。これからもよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - よーかさん» そうですよねぇ…。作者である私もラストをどうしようかと、頭を悩ませています笑。次の章でもしかすると見方が変わって来るかも…?これからもよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みちさん» ありがとうございます!ある人物、当たってましたでしょうか…?かなり意外な人物だったのではないかと…。移行後もよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏飯 | 作成日時：2017年4月10日 21時
