ryosuke. 7 ページ30
雄也先輩とその人が、軽く会話するのが聞こえる。
「なんかこれ以上はダメとか、ある?」
「全然ないよ。
好きにやっちゃって。」
「んじゃ、好きにさせて貰います。」
そう言って雄也先輩は、その人の頭に大胆にハサミを入れて行った。
長い黒髪の束が、ぼたりぼたりと落ちていく。
不揃いになった髪の毛を、少し整える。
ショートカットになったその人の、白いうなじが見えた。
切ったばかりで毛先があちらこちらに向いているが、その人の顔が少年らしい印象になった。
雄也先輩はその人の髪を、明るい茶髪に染めあげた。
染まった髪を見て、俺は息を飲んだ。
自分の鏡の顔を見たその人も、驚いていた。
「これが、私…?」
「紛れもなく光ちゃんだよ。
可愛い、でしょ。」
鏡の中の自分に向かって、彼女は首をかしげている。
俺も、ひどく驚いた。
来た時はあんなに重くて、もさい感じだったのに。
…今では明るくて、天使という言葉がピッタリな。
ふわふわの印象、だ。
髪型が変わるだけで、こんなに変わるものか。
さらに雄也先輩は仕上げのカットとアイロンでセットしていく。
時間はとっくに10時を過ぎていたのに、その髪型が出来上がっていく過程が面白くてすっかり見入っていた。
細かなシャギーを入れるために動く、銀色の細いハサミ。
くしを通せば、陰影のついてメリハリのある髪型に変わっていった。
今日がもうすぐ終わってしまうことが残念なほどに、綺麗になっていく。
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まろっぺ(プロフ) - 山田さんどこで出てくるのか教えてほしいです。想像力がないもので… (2018年6月17日 18時) (レス) id: 5a53f9baf1 (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - まいまいさん» 私も裕翔さんサイドを書いていて、本当に切なくなってました笑。どちらを応援したらいいのやら…。みんな上手く幸せになってくれればいいんですけど…。これからもよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みかさん» 裕翔さん、めちゃくちゃいい人なんですよねぇ…。慧ちゃん、それに気付く日は来るのかしら…。書けるかな、どうかな。これからもよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - よーかさん» そうですよねぇ…。作者である私もラストをどうしようかと、頭を悩ませています笑。次の章でもしかすると見方が変わって来るかも…?これからもよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みちさん» ありがとうございます!ある人物、当たってましたでしょうか…?かなり意外な人物だったのではないかと…。移行後もよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鶏飯 | 作成日時:2017年4月10日 21時