初恋ざぼん。(tk×in♀) 2

ryosuke. 3 ページ26

「乾杯。」


「乾杯。お疲れ。」



周りのサラリーマン達が酒に酔っている。
大声で笑い、罵り合う。

中にはソフト○ンクホークスの応援歌を歌って盛り上がってる人もいる。

大騒ぎをして今年の厄を祓い、新年を迎える。
忘年会シーズンの居酒屋なんて、みんなそんなものなのだろうか。


そんな中、雄也先輩は優雅にビールを飲んでいた。


「今週でもう異動だっけ。」


「はい、そうです。」


「もう引っ越しの準備、終わった？」


「前の休みの時に大体荷物送ってて。
　今はほとんど家に何もない状態になってます。

　…引っ越しって言っても、実家に戻るだけなんですけど。」


実家に帰ったらきっとダンボールだらけなのだろう。
またあれを自分の部屋に戻すのが少々面倒くさいな、と思った。


「出戻り?」


「まぁ、そんなとこですかね。」


先輩は、あははと笑う。


クールな目元に毛先を遊ばせて長めの茶髪。
正直最初はヤンキーぽくて、怖かった。

しかも、九州のヤンキーは怖いと聞いていたから、てっきりそのうち襲われるのではないか、と思っていた。

…そんな事は一度たりともなかったが。


むしろ緊張してガチガチに固まっていた俺の面倒を見てくれたり、相談に乗ってくれたりと優しい先輩だった。


最初に店で俺がアシスタントとして付いたのも、雄也先輩だった。

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