初恋ざぼん。(tk×in♀) 2

kei. 10 ページ17

「何だよ、しけた顔して。
　幼なじみに先を越されて、悔しいのか？

　…うそうそ、そっちはどうなんだよ。」


「まぁ、うん。」


「彼氏、できたか。」


「まぁ、うん。」


宏太はそっか良かったな、と言って目を反らした。
手はコーヒーカップの持ち手をなぞったり、意味もなくいじっている。


「そいつとは、上手くいってるんだよな。」


「上手く行ってる、と思う。」


「何だよ、上手く行っていると思うって。
　…雄也のことは、そんなに気にすんな。」


「そうじゃ、なくて。」


宏太はまっすぐ私の目を見た。


上手く行ってる、と胸を張って言うことは出来る。
世間的には仲もいいし、続いているのだったらそうだろう。
私もそう思っては、いる。

だけど出会った当初とは、違う悩み。
出会った当初には、見えないものだから。


女友達には、怖くて話せない。
だからと言って他の男子は、頼りにならない。


贅沢な悩みだということは、自覚している。
だがそれがどんどん膨れ上がっていて、私だけでは整理が付かなくなってきた。


「 そうじゃないってことは、何かあるのか。
　聞いてあげるよ。

　アドバイスはできないかもしれないけど、 話すだけで楽になるとは言うぜ。
　もし俺でよかったら、話してみ。」


彼は信頼できる、幼馴染。
…彼になら、話せるかもしれない。


私は覚悟を決めて、その言葉を口にした。


「最近、彼との間にすれ違いを感じるの。
　将来に対しての考え方、というのかしら。

　本当にちょっとしたこと、なんだけれど。」

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