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kei. 6 ページ13

そんなワカナの言った言葉もそこそこに、私は昼飯をどこで食べようかと頭を巡らせた。


午後には講義がある。
そんなに遠くまで足を伸ばすことはできない。

学食で食べることもできるが、こんなに天気がいいのだったら、外で食べるのもいいだろう。



ランチだしパスタもいいなあ。
でも、しっかりご飯もいいなぁ。


そういえば近くに定食屋があると、ワカナに教えてもらったことがある。

その定食屋はさまざまなメニューを扱っていて、少し高いがどれも美味しいとワカナは言っていた。


そこでアルバイトをしている店員がイケメンだと彼女は騒いでいたっけ。
その印象が強くて、覚えていた。

…我ながらしょうもない記憶力だと思う。


毎日お弁当を作っているし、たまには少しだけ贅沢しよう。

私は秋晴れの空の下、その定食屋へと向かった。





その定食屋は、うちの大学生で賑わっていた。

メニューを見れば確かに、美味しそうな和食の定食の数々の写真が並んでいた。



その中から私は鯖の味噌煮を頼んだ。

家で魚をいじると後々匂いが気になって、少々面倒だからしばらく食べていなかったのだ。


島に住んでいた頃は鯖ではなかったが、いろんな魚を食べた記憶がある。

新鮮で、どれも美味しかった。
懐かしい。



「お待たせしました。」

鯖の味噌煮が運ばれてきた。
いい匂いをさせて、湯気を上げている。


だが一つ、気になることがあった。
その人の手には、絆創膏が巻いてある。
…それも、いくつも。


この人が調理場に立っているのだろうか。
いや、さすがにないか。


そんな店員の顔を見た。


「あれ。」


「ん? あぁ…。」


久しぶりに見る知り合いの顔に、懐かしさを覚えた。
島を出て以来会う、初めての同級生。

…こんなところで会うとは。




「久しぶり、宏太。」

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まろっぺ(プロフ) - 山田さんどこで出てくるのか教えてほしいです。想像力がないもので… (2018年6月17日 18時) (レス) id: 5a53f9baf1 (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - まいまいさん» 私も裕翔さんサイドを書いていて、本当に切なくなってました笑。どちらを応援したらいいのやら…。みんな上手く幸せになってくれればいいんですけど…。これからもよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みかさん» 裕翔さん、めちゃくちゃいい人なんですよねぇ…。慧ちゃん、それに気付く日は来るのかしら…。書けるかな、どうかな。これからもよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - よーかさん» そうですよねぇ…。作者である私もラストをどうしようかと、頭を悩ませています笑。次の章でもしかすると見方が変わって来るかも…?これからもよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みちさん» ありがとうございます!ある人物、当たってましたでしょうか…?かなり意外な人物だったのではないかと…。移行後もよろしくお願いします! (2017年5月1日 18時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鶏飯 | 作成日時:2017年4月10日 21時

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