初恋ざぼん。(tk×in♀)

kota. 18 ページ40

すたすたと玄関に向かっていく、光。

今すぐにでもスーパーへ向かおうとしているのだろう。


「光、スーパーとホームセンターはやってない。」


「なんで。」


「10時から、だから。
　今は8時。

　今行っても開店前の店の前にいて、ただ虚しい思いするだけだぞ。」


うつむく、光。


そうだよ、大抵の店は朝の10時から夜10時までなんだ。

だが、その時間枠を超えて営業している店もある。
そのニーズに応えて発展し、全国各地にその規模を広げた、店。


「コンビニなら開いてる。
　24時間やってるからな。

　…って、おい。」


光が玄関のドアを開けている。
せっかちな光のことだから、今すぐに行きたいと思っているはずだ。

けれども。

…靴下にパーティーシューズは、ないだろう。


「光。
　靴、それしか持ってないの。」


光が苦笑いした。
その苦笑いからは、八重歯がチラリと覗いた。


昨日のあの調子じゃ、東京をその靴で歩き回ることなんて、できないだろう。


「コンビニは俺が行って、適当に何か選んでくる。

　スーパーもホームセンターも行くけど、まずは靴屋に行こうか、光。」

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