kota. 16 ページ38
「光、あのさ、明日…」
明日光がどこか行きたい場所があるのなら案内してあげようと思いたって、風呂から出るとこの様だった。
すうすうと寝息を立ててソファーにうずくまったまま眠る光。
手に持っているスマホは、今にも手から滑り落ちそうになっていた。
「まったく、こいつは。」
今日一日で長旅に、結婚披露宴に、1日の最後には車に轢かれそうになった光。
疲れ切ってしまったのだろう。
肩を揺らしてみても、起きる気配すらない。
「……よっと。」
光をお姫様抱っこの要領で抱きかかえて、ベッドに運ぶ。
布団をかけてやると、気持ち良さそうに寝返りを打った。
光の眠るベッドに腰掛けて、光の前髪を撫でる。
軽くてふわふわのそれは、鳥の羽のようだった。
それとなく光の鼻に伸ばしていた手を、引っ込めた。
軽々しく触って良いもんじゃない。
大切な幼馴染なのに。
自分がそういう目で光のことを見始めていることに、男の哀しさを感じた。
男の一人暮らしの部屋のベッドに似つかわしくないほど、子供のような寝顔ですうすう眠る光。
化粧を落としても、光の顔に現れたのは“純粋”の2文字だけだった。
島にいた頃は気づかなかった、長い睫毛。
今まで見てきたどんな東京の女よりも、綺麗な横顔。
高校生の時までの俺は、今まで光の何を見てきたのだろうか。
若い盛りの男だぞ、俺は。
ちょっと、無防備すぎないか。
そんなこと思う俺のことなど露知らず、一定のリズムで寝息を立てる光。
純粋で、無垢な、光。
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鶏飯(プロフ) - ひかりさん» 番号飛ばし、ご指摘ありがとうございました。いゃぁ、ついやってしまいました…。これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (
レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - よーかさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みるみるみるきーさん» 良かったぁ…。綺麗になっていく光ちゃん、にやにやしながら書いてました。（←ヤバイ奴ですね…。）これからもよろしくお願いします、姉上! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みちさん» ありがとうございます!そう言って頂けて、とても自信になります。これからも書いて行きますので、どうぞよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - いののんさん» ありがとうございます!光ちゃん、綺麗になっていく過程書くのは、凄く楽しかったです!たかいのとは対照的なやぶひかの結末は続編でも書いて行きます! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏飯 | 作成日時：2017年3月23日 20時
