kota. 11 ページ33
そんな会話をしたのがもう3年前。
大学3年生になった俺は女と遊ぶのに手慣れてきた代償に、ふとした時に虚しさを感じるようになった。
自分の周りにいつも女はいた。
男友達だって、いないわけじゃない。
でも、いつかいなくなってしまうのではないか、という不安と隣合わせだった。
もっと確実で、満ち足りたものが欲しい。
でもいくら周りの女と付き合ったり体の関係をもってしても、潤うのは一瞬だけでむしろ、その度に渇いていく心。
掴んだと思ったらすり抜けていく心の潤いを追い続け、それでもなお手に入らない。
「はぁ…。」
自宅のアパートに帰る道を一人夜な夜な歩く。
大学生に払える家賃なんて、たかが知れてる。
大学に近いアパートを条件に選んだ所、治安のあまり良くない、ホテル街の中を通ったところにあるアパートに落ち着いた。
上京した時は夜の灯かりに浮きだった心も、今では一つ一つ窓に灯る光が遠い。
自分もあの中のひとつだと思っていたのに、気がつけば自分は独りだった。
「なんで、かな…。」
前はピンクのパーティードレスを着た女がヒールをカツカツと言わせて歩いている。
足がすらっとしていてとても綺麗なのに、そのにパーティードレス姿にはには似合わない、大きなバッグを持っている。
またヒールを履き慣れていないのか、カツカツと鳴らしている音は夜の裏路にいびつに響いていた。
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鶏飯(プロフ) - ひかりさん» 番号飛ばし、ご指摘ありがとうございました。いゃぁ、ついやってしまいました…。これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - よーかさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みるみるみるきーさん» 良かったぁ…。綺麗になっていく光ちゃん、にやにやしながら書いてました。(←ヤバイ奴ですね…。)これからもよろしくお願いします、姉上! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みちさん» ありがとうございます!そう言って頂けて、とても自信になります。これからも書いて行きますので、どうぞよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - いののんさん» ありがとうございます!光ちゃん、綺麗になっていく過程書くのは、凄く楽しかったです!たかいのとは対照的なやぶひかの結末は続編でも書いて行きます! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鶏飯 | 作成日時:2017年3月23日 20時