yuya. 11 ページ17
俺たちの間を流れる沈黙を、海風が埋める。
こんな時にスマートに返事ができない、俺の言語能力の低さを少し憎む。
考えあぐねた挙句、俺は返事をした。
「俺は、
どっちでもいいよ。
慧が医者として働くのが幸せであればそれでいいし、この島で過ごすのが幸せならそれでもいい気がする。」
どっちでもいい、という言葉に対して無関心だという解釈をされるのが心配だったが、そんなことはなかったようで、慧は消え入る声で、
「ありがとう。」
と言った。
慧はきっと、別れを恐れているのだと思う。
自分の決断次第で変わってしまうかも知れない、未来。
良くも悪くも先の見えない、未来。
俺はおそらく慧以外の女を好きになることはないだろう。
今まで生きてきた中でこれだけ心を奪われた人は初めてだから。
だが、恋人という存在は、確約はない。
必ず別れないという保証はないのだ。
いや、待てよ。
あるのか。
一つだけ、確実な、方法が。
一世一代の、大きな、約束。
こんなに早く訪れるとは思っていなかったが、このタイミングでなければいつするのだ。
「慧、
俺と、結婚してください。」
「はあ? え?」
「この先ずっと、俺は慧と別れたくない。
結婚したら一生別れないんだろ。」
慧は目をぱちくりさせていたが、やがてその目をうるうるとさせている。
「 私なんかでいいの。
この先もっといい人、現れると思うよ。」
「そんなこと言うな。
俺は外見こそチャラいかもしれんけど、本気の恋愛しかしない。
慧のこと、一生大切にするから。」
「私、もうこの島、離れたくない。」
「じゃあもう俺から離れんな。
高校卒業したら18になるから、そこで結婚しよう。」
「うん、わかった。
そうする。
ありがとう雄也、大好き。」
俺と慧はそこで手を繋ぎ、すすり泣いた。
幸せでいっぱいだった。
7月、最後の日だった。
***
すみません、番号ずれてました。
今直しました!
本当に申し訳ないです。
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鶏飯(プロフ) - ひかりさん» 番号飛ばし、ご指摘ありがとうございました。いゃぁ、ついやってしまいました…。これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (
レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - よーかさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みるみるみるきーさん» 良かったぁ…。綺麗になっていく光ちゃん、にやにやしながら書いてました。（←ヤバイ奴ですね…。）これからもよろしくお願いします、姉上! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みちさん» ありがとうございます!そう言って頂けて、とても自信になります。これからも書いて行きますので、どうぞよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - いののんさん» ありがとうございます!光ちゃん、綺麗になっていく過程書くのは、凄く楽しかったです!たかいのとは対照的なやぶひかの結末は続編でも書いて行きます! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏飯 | 作成日時：2017年3月23日 20時
