yuya. 6 ページ12
隣にいた彼女をふと見ると彼女は笑うのをやめて、俺の顔をまじまじと見つめてきた。
「それ、全部食べんの。」
彼女が言う。
「え、食べないの。」
「凄く酸っぱいでしょ。」
「そういうもんじゃないの。」
「根性あんね。」
「え、どういうこと。」
いよいよ混乱してきた俺に対して、彼女は若干ニヤつきながらこう答えた。
「だから、ざぼんは普通は取ってから1か月半ぐらい置いてから食べるの。
酸っぱくて食べられんから。
普通は。」
「ざぼん?」
「それ、酸っぱいやつ。」
彼女が俺の手の中にいる実を指差す。
この実はざぼん、というのか。
なあんだ、そんなことか。
俺はさっき自分があまりにも必死になってこのざぼんを食べたことに、だんだん滑稽さを抱いた。
彼女と視線が合い、胸の辺りがむず痒くなってきて、何がおかしいのかわからないが二人で同時に吹き出す。
「ふふ。あはは。」
「ははは。」
しばらく二人で笑い転げる。
こんなに笑ったのはいつ以来だろうか。
「それ、私も食べてみようかな。」
俺の手から二房彼女がつまみ、口に含んだ。
「すっぱ。
何だこれ、よく食べたね。
ああ、酸っぱい。」
そう言ってまた笑い転げる彼女。
初めての中にいたざぼんの実はたちまち酸っぱい酸っぱいと言ってながらつまみ、また笑い転げる俺と彼女によってたちまち無くなった。
彼女と初めて話した記憶。
酸っぱくて、鮮烈な記憶だ。
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鶏飯(プロフ) - ひかりさん» 番号飛ばし、ご指摘ありがとうございました。いゃぁ、ついやってしまいました…。これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (
レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - よーかさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みるみるみるきーさん» 良かったぁ…。綺麗になっていく光ちゃん、にやにやしながら書いてました。（←ヤバイ奴ですね…。）これからもよろしくお願いします、姉上! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みちさん» ありがとうございます!そう言って頂けて、とても自信になります。これからも書いて行きますので、どうぞよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - いののんさん» ありがとうございます!光ちゃん、綺麗になっていく過程書くのは、凄く楽しかったです!たかいのとは対照的なやぶひかの結末は続編でも書いて行きます! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏飯 | 作成日時：2017年3月23日 20時
