20 真意は ページ2
――アラムに“アイツ”呼ばわりされたゾムはというと、
zm「いｯ……ぺ神！」
sn「だってゾムが動くから…」
医務室でしんぺい神から手当を受けていた。
大きな怪我はないものの、着弾時の爆発で身体の至る箇所に切り傷ができている。
1つ1つ消毒をされる度に怪我に染みて、ビクリと身体が勝手に跳ねるのだ。
sn「はい終わり！」
ベシッと背中を叩かれ、また包帯換えにきて〜というぺ神に礼を言って扉を閉める。
zm「…どうしたん大先生」
医務室の扉にもたれ掛かった鬱先生は、目を泳がせてこちらを見ない。
ut「ゾム、すまん…。あの砲撃俺がやってん…まさか飛び出してくるとは思わんくて。」
zm「あ〜〜〜、どうりでガバいと思ったわ…」
珍しく気にしてそうだったので軽口を叩けば、
やかましいわ！といつも通りの反応が返ってきた。
ut「グルッペンよりも、トントンにあの惨状見せるんが恐ろしい…」
頭を抱えた鬱先生に、確かにあれはなぁ…と笑いを漏らした。
zm「で、ぺ神に用があったんちゃうん？」
ut「…ん、ああ。ちゃうで。ゾムにええ加減聞こうと思って。」
zm「ん、なに。」
先程とは変わってじっと此方を見つめてくる深い碧色に、少し言葉を詰まらせた。
流石はロミオトラップ担当と言うべきか、相手を揺さぶる緩急のつけた接し方を心得ている。
ut「グルッペンが言わんくても殺る気なんてサラサラ無かったんやろ？」
西門に向かう時、ゾムは鬱先生に俺が合図をしたらこれを生身の肌に向けて打ち込んでくれ、と痺れ薬を仕込んだ弾を渡した。
くられ先生が開発した物で、非常に細く、殺傷能力も無いので弾というよりは針に近い。
zm「俺の作戦を呑んだって事は大先生も同じ考えやったんちゃうん。」
ut「まぁそうなんやけど…
グルちゃん、えらいAの事気に入ってしもたみたいやし。
早いとこ手打たんと盗られてまうよ。」
一瞬見せた愁いを帯びた瞳に、
自分に向けて発された言葉の筈だが、ゾムにはまるで鬱が鬱自身に言い聞かせている様にも見えた。
zm「悪いけどAは譲れへんわ。グルッペンにも……―――大先生にも、」
そう言うと鬱先生は少し困ったように笑った。
ut「(ほんま、世話焼けるなぁ……)
はよ首輪の事…」
言葉を伝え終わる前に、インカムに入った大きな声によって遮られた。
kn「全員、会議室に集合！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 538人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ(プロフ) - 更新待ってます...。。 (2022年11月26日 18時) (
レス) @page46 id: f1c4052875 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 黒カビさ〜ん！お久しぶりでっす！僕が最近いなかった理由をまとめたので見てくれると嬉しいです (2020年12月19日 16時) (レス) id: d1b989425f (このIDを非表示/違反報告)
黒カビ(プロフ) - 桜良ゆきさん» 桜良ゆきさん、お優しいお言葉ありがとうございます…！；；亀更新となっておりますが、引き続き楽しんで頂ければ嬉しいですm(_ _*m) (2020年8月20日 15時) (レス) id: 0d84c7512f (このIDを非表示/違反報告)
黒カビ(プロフ) - Lunaさん» Lunaさん、おわーーーーコメ気付かず申し訳ない…！！；；；；亀更新となってしまってますが引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです…！ (2020年8月20日 15時) (レス) id: 0d84c7512f (このIDを非表示/違反報告)
桜良ゆき(プロフ) - いつも更新ありがとうございます！作者様こそ体調を崩されないよう、お気をくださいませ！気長に待っております⊂((・▽・))⊃ (2020年8月15日 13時) (レス) id: 82b27650f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒カビ | 作成日時：2020年5月20日 17時
