【wrwrd】翡翠色の暗殺者。2【男主】 (ページ9)

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数時間後、俺の耳に入って来たのはΟ国の城が燃え、跡形も無く消え去ったという事と国境付近でシャオロンが倒れていたという事。

覚醒してすぐに城を燃え尽くすほどの特性を使ったということは、負担があったのでは無いかと心配になったが、しんぺい神曰く特に異常は見られなかったらしい。

生気の宿らない目で静かに教えてくれた。

sn side

シャオロンが消えた。

シャオロンの言葉に賛同する様に巻き上がった炎は、彼を連れて行ってしまった。

ut「シャオちゃん、まさか1人でΟ国に？」

zm「あいつ、何無謀な事しとんねん…！

おい、大先生、チーノ、と

…Aはええわ、休んどき。

お前らシャオロン追いかけんで」

そう言って3人は走って行ってしまった。

置いていかれたAは黙って下を向いていた。

sn「…A、傷、みせてくれない？
ついでにひとらんに顔見せてあげて、心配してたんだ」

『…はい』

医務室に着き、傷の手当てをする。特に酷いものは無かったので少し安心した。

Aが礼を言い、ひとらんの所へ向かったのを確認して、トントンに話しかける。

sn「トントン

…具合はどう？」

tn「だいぶ落ち着いたで。

今まであったもんが無いっていう違和感はあるけど、特に痛みは無いからな。

まぁ、利き手じゃなくて良かったわ！」

笑顔を浮かべるトントンに胸が苦しくなる。

…何も出来ない俺を責めてくれよ。

シャオロンはお前らの事を思って、覚醒した。
シャオロンが非難していたのは、あの場に居た全員だ。

仲間を傷つけられて逃げ帰ってきたゾム達だけじゃ無い。
軍医という立場でありながら、トントンの腕を見て絶望して諦めてしまった俺にも。

ゾム達だって、仲間を傷つけた相手をこのまま放っておこうなんて思っていない。それを分かっていてもシャオロンは訴えたんだ、

グルッペンならそうするから。

それに比べて、俺は？
トントンの腕はもう無理だと諦めている。

だって、魔法でも使わない限り、無理なんだ。
神様に散々祈った。

でも、覚醒しないんだ。

いくら祈っても、俺の特性は目を覚さない。