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陸ノ炎 ページ8

炭治郎「すみません…ご迷惑おかけしました」

『いえ、迷惑をかけたのはこちらも同じですし
お気にすることなく』




ぺこぺこと頭を下げる竈門少年に、先程起きたことについて詫びる

千寿郎は起きた事を全て私に話し、書物を探しに行った




炭治郎「…あの、貴女にも煉獄杏寿郎さんから言葉を預かっているのですが」


『兄上が…?』


炭治郎「…はい、まず祝言に行けなくて申し訳ない」





彼から発せられた言葉が変換され、するりと頭に入ってくる

兄上がその言葉を発している姿が見える



(…兄上、、
結局私は嫁ぎに行っておりません、それどころか隊服を身につけ鬼に刃を振るっております)







炭治郎「…それから、俺の刀を研いだ刀鍛冶にお世話になりなさい

そして最後に、幸せになれると思う人に嫁いで欲しい」




その言葉を聞いて、右頬を叩かれたような感覚に陥った





兄は今までそんな事を言ったことはなかった、縁談話を止めたことなんてないし

否定したことだってない




相手先の人の話をすれば

“いい人だな”


と言って、笑って頷くだけだった








最初から兄は分かっていたのだ


【私が無理に嫁ぎに行こうとしていることを】









…きっと、何度も言おうとしていた


“無理に嫁ぎに行かなくていい”


その言葉を兄に言わせなかったのは、きっと私だ








自分が死んだら、きっと私は嫁ぎに行くのをやめる

そして、自分の仇を取りに刀を手に取る事まで兄は予測していたのだ




“兄は…私の事をずっと気にしていてくれた”


そのことに気づいてしまったら最後

もう涙が止まらない







『……ぅ、ぐっ…あぁ…っあぁぁ…っ』


兄の死を受け入れたつもりの心は、全然受け止めきれていない事を今さら実感する

知らぬ間の兄の想いに心が乱される








私はいつだって逃げてばかり

【父が剣術について否定するから刀を置いた】

【変わってしまった父が怖いから、早く嫁ぎに行ってしまうのが1番だと思い込んだ】

【兄を失い、どうしたらいいのか分からなくなるから刀を持った】







…もう、逃げない

逃げたくない



父は私にだけは暴力をふるった事がない、ただ関わらないようにしてくる

その理由も聞こう







怒りに振り回されず、怒りを受け入れ自分の力にする

そして殺す為に刀を振るのではなく


【兄が願う私の幸せの為に、刀を振る】





それが今、私が兄にできる精一杯だ

漆ノ炎→←伍ノ炎



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 炎柱   
作品ジャンル:アニメ
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烏璃(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております。本当に面白かったので今後も応援しています。番外編も小説になったのなら是非読ませていただきたいなと思う内容でした。楽しみに待っています。頑張ってください。 (2019年11月12日 22時) (レス) id: f27bf2df20 (このIDを非表示/違反報告)
為人(プロフ) - ありがとうございます!!!語彙力フル活動で頑張ります!! (2019年11月11日 19時) (レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ3。(プロフ) - わぁぁ!!好きです!! こういう作品大好きなんです!!応援してます!! (2019年11月11日 17時) (レス) id: 57e27a7918 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:為人 x他1人 | 作成日時:2019年10月27日 19時

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