137話 ページ4
殺せんせーは、時々何かを振り返ってる表情をする。
「……そうですね。大切な人から、否定され、必要だと見て貰えないというのは確かに怖い。
__それでも、先生はちゃんと見ます」
『…うん!』
何かが込められた言葉。どれだけ技術を身につけても、努力をしても、大切な人に必要ないと否定される。
結局、彼は否定され続けて“本物”にはなれなかった。
『……先生、あのね。ロヴロさんに卒業後一緒に来ないかって誘われたよ』
「!この業界で生きるには、彼は一つの切り札になるはずです。前向きに検討してみてはいかがですか?」
『あはは、、ごめん。もう断っちゃったや〜
____私は、貴方みたいに1人でやってみたい』
「……霧島さん…」
『思わず死神に魅了されてしまって、弟子入りを申し込んでしまうくらい、立派な殺し屋になるの。
名前が知れ渡るぐらい権力を持って、教え子が出来たら、その子と真っ直ぐ目を見て、向き合う』
貴方のそのものになることなんて、出来ない。
どんなにスキルを増やしても、“死神”にはなれない。
頭に乗せられている殺せんせーの触手の波長が、少し揺らいだような気がした。
「……君を見ていると、ときどき自分自身を見ている気になります。私も沢山失敗して、ここまで来た。
だから不安は募ります。君たちが歩む未来を、先生は見届けることが出来ないですから。
……でも不思議と、君なら大丈夫泣きがしてくる」
先生の触手を強く握る。
『……』
“死神”が歩んだ先が、“殺せんせー”だ。
そして、その姿を“選んだ”のは“死神”だったあなたのはず。
『あなたに、何があったんですな?
……その姿は、触手に答えた結果なんだよね。
__何が、“死神”を変えたの?』
「……この話は、なるべく
『…ううん、先生が話したくないならそれでいい!
それに!卒業までに、やっぱり話したくなるかもしれないし?』
にしし、と笑う私の頭を相も変わらず優しく撫でる。
『……(この時間が、ずっと続けばいいのに)』
今がとても幸せ。未来を語る今が一番好き。
大好きな皆と離れたくない。
__でも、私たちは殺せんせーを殺して、私達は暗殺教室を卒業する。
起こると分かっていた、迷い。
やって来たすぐは、自分がこうなると思わなかった。
……今はまだ、目を逸らしていたい。
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為人(プロフ) - いゆんよさん» ありがとうございます!頑張ります!! (2022年7月27日 23時) (レス) @page23 id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
いゆんよ(プロフ) - 投稿見ました!Twitterフォローさせていただきました。これからも頑張ってください。完結も楽しみです。 (2022年7月27日 23時) (レス) @page24 id: da21190636 (このIDを非表示/違反報告)
為人(プロフ) - いゆんよさん» はわわ!ありがとうございます!いつも長らくお待たせしてしまい申し訳ないです!!夢主ちゃん、私も大好きなんです!☺︎投稿にいつも間が空いてしまっているのですが、これからも読んでくださると嬉しいです! (2022年7月20日 23時) (レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
いゆんよ(プロフ) - コメント失礼します、とても面白い作品で大好きです。続きが出るのをワクワクしながら待ってます!見てるとあ、夢主ちゃぁん!カッコいい!!ってずっとなっていますwこれからも頑張ってください! (2022年7月20日 23時) (レス) @page23 id: da21190636 (このIDを非表示/違反報告)
為人(プロフ) - あさん» ありがとうございます。名前はミスでした……すみません(泣)。あってはいけないミスでした、、教えてくださりありがとうございます(土下座) (2021年11月7日 11時) (レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:為人 x他2人 | 作成日時:2021年3月5日 21時