23話 ページ24
また数日経ち、その日はホリデー前の最後の実験を行っていた。卒業の課題に出された程の難易度だと言う
『これで完成だな、マレウス殿』
｢……ほう、クリスティアは魔法薬学に長けているのだな。僕が手を出すまでも無かった｣
『あぁ、俺のユニーク魔法と魔法薬学が関係するのか調べているうちに詳しくなってしまったんだ』
｢茨の谷にも魔法薬学に長けた者はいるが、経験の差はあるものの本質的な実力は劣らないだろう｣
『ははは、そう言われると嬉しいよ』
完成した試薬を持ち、マレウス殿と共に廊下を歩む
これをクルーウェル先生に見せる必要があったからだ
だが、途中廊下の行先にカリムとジャミルの姿が目に映った。カリムと目が合った
俺はそっと目をそらす
カリムは駆け出し、俺に向かって来た
＿＿＿＿どうしてお前は、ここまで俺が否定しても、離れると宣言しても、何度も手を差し出してくれるんだ
｢A……！｣
『……っ』
＿＿避けられない
そう確信したけた時だった。目の前に何かが立ち塞がる
ジャミルではない。それは、マレウス殿だった
｢えっ｣
｢見ての通り、つい先程完成したばかりの試薬を持っている。そう勢いよく駆け寄ってきては危ないだろう｣
｢……すみません、ドラコニア先輩。行くぞ、カリム｣
あっ、と声上げたカリムをマレウス殿は黙らせ、そしてジャミルに二人で立ち去らせるように仕向けた
実に、彼らしくない行動だ。
ジャミルに手を引かれて行くカリムは、何か悔しそうな悲しそうな顔をしていた
二人が去って、俺はそっと口を開く
『……気を使ったのか、マレウス･ドラコニア』
｢ほう、癪に障ったか。僕はただ毎度してくれている移動教室の知らせの礼をしただけだったんだがな｣
不敵な笑みを浮かべる彼を見て、俺も笑った。
気を使う必要はない、弱みを見せれば喰われる。遠慮すれば埋もれていくのが、この世界。
『まぁ今回は、試薬の安全が保たれたから感謝する』
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｢Good･boy!! 中々の完成度だ。この難易度をこの完成度で常に作れるようになれば社会からも評価は上がるだろう。これからも励むように｣
クルーウェル先生の元へ薬品を届けると、評価を付けられ各自解散となった。だが、俺は一人で部屋に残る。
｢まだ何か用があるのか、仔犬
ぐだらない内容なら追い出すから、出ていくなら今のうちだぞ｣
『やだ、酷いなぁ〜真面目な話ですよ
…………例えば、忘却薬とか』
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為人(プロフ) - サイコパス人間さん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年8月17日 0時) (
レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス人間 - 頑張ってください！！これからも頑張ってください！ (2020年8月16日 23時) (レス) id: a7568b633b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：為人 x他2人 | 作成日時：2020年7月12日 2時
