22話 ページ23
VIPルームにして、俺たちは話をしていた
「……なるほど、分かりました。この後、直ぐに手配しておきます」
『恩に着るよ、あと対価はこれくらいあれば十分か？』
マジカルペンが輝くと、VIPルームのテーブルにマドルの札束が山のように現れた
アズールはそれを一度眺めると、笑顔を浮かべて「えぇ、充分です」と答えた
『あともう一つ話があって、来週からホリデーだからさ寝泊まりに困ってるんだけど、待遇は良くなくていいから住まわせてくれないかな？アズールくん』
「それでしたら以前から転寮について話していましたし、この際に決めては如何でしょう
貴方なら歓迎致しますよ」
『ははは、、悪いけど来年から転校する予定でね。今回用意してもらうそれも、この機会を利用するための物なんだ』
「へぇ、転校ですか！！それはまた思い切ったことですね……それ程までカリムさんとジャミルさんを避けているように見える」
取引先としてではなく、この時彼個人としての哀れみの表情で俺を見つめた
彼は俺の過去を知っている。取り引きにおいて弱みを握るのは一つの手段であるから、彼はあらゆる手を使って調べたのだろう
「本来なら、貴方はとても優秀な寮長でしたし手を回そうと思えば回せたはずです。彼らを転寮させる権利が合った、そして最も相応しい人材にも関わらず寮長の座をわざわざ今年度手放した
貴方も少々、自分を抑えすぎでは？」
『貴方も、か』
「えぇ、ジャミルさんは成績は上位でもないが下位でもない。中位な成績ですが、僕には“わざわざそうしている”ようにしか見えないんですよ
クリスティア先輩は色んな意味でカリムさんよりもジャミルさんをよく知っているようですが、この件の予想に対してどう思います？」
『……さぁ、俺からは何とも言えないな。偽物もそれを貫き通せばいつかは時に誠になってしまうように、嘘か本当かは俺には判断し難いさ』
自分を偽り続ければ、偽りの自分が周りからはそれが本物の自分へと成り下がってしまう
俺も、お前もそうだ
俺は立ち上がり、VIPルームの出入り口へと足を向ける
『今日はありがとう。転寮は出来ないが対価は考えておいてくれ、物なら何でも用意出来るから
今日はこれで失礼』
｢……えぇ、またのご利用をお待ちしております。クリスティア先輩｣
Aが出ていった後、ある人魚が｢全く、対価で声を失った訳でもないのに真実を伝えないとは……本当に哀れですね｣
…と、呟いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
為人(プロフ) - サイコパス人間さん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年8月17日 0時) (
レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス人間 - 頑張ってください！！これからも頑張ってください！ (2020年8月16日 23時) (レス) id: a7568b633b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：為人 x他2人 | 作成日時：2020年7月12日 2時
