12真偽 ページ14
加瀬は困惑していた。何故……何故こんなことになっているんだと……
今目の前で起きている事の発端は当の本人にもわからないが、取り敢えず二宮と加古の2人から出水と米屋によって助けられた加瀬は生身に戻って逃げた(出水と米屋は加瀬を逃したことで二宮と加古に捕まった)
そのまま加瀬はほぼ誰も使わない仮眠室で自身が主に使っている部屋へと逃げ込んだ
「ここまでくれば大丈夫だろう……」
息切れをしながらもほっと息を吐くと仮眠用のベットに向かう
昔……偽っていた頃にボーダー本部内を歩き回っていると人が誰も通らない通路を見つけその先を丹念に探索して見つけた誰も使っていない仮眠室を見つけた
時間を見つけてはその仮眠室に行き掃除をして、誰も使ってないから申し訳ないが勝手に加瀬に使いやすいように仮眠室を作っていった
そうしてしばらくして出来上がった仮眠室に偽っている間よく来ていた。何せ人が加瀬以外来ないのだ
ゆっくりとできるし、1人のため偽ることをしなくていい。偽っている間の休憩スポットだ
色々あって暫く来れていなかったうえに、怪我(重症)を負って入院をして更に来れていなかった
「暫く来れていなかったし簡単に掃除しておくか」
ベットに近付くとそういえば……と思い出して掃除をし始める
「誰にも気付かれていなかったみたいだな」
来ていない間に来た誰かによって持ってきていたものを持っていかれたり、仮眠室を壊されたりしていないことに少しほっとする
「こんなものか」
簡単な掃除を終わると辺りを見渡し綺麗になったと頷くとベット(ベット用クリーナーで掃除済み)に腰掛ける
「何でこんなに周りは気にかけてくれるんだろうな……」
退院して間もない身体には流石にボーダー内とはいえ、長距離の移動(+ここ最近起きていることへの精神的な疲れ)は堪えたのだろうベットに身体を横たえながら呟く
「素でいる事になったとはいえ、そう直ぐに、何で、たくさん……」
身体は睡眠を欲していたのだろう。迅や嵐山等、偽っていることを知っていた者を除いた他の人達から最近よく話しかけられる
何故?どうしてだ?いくら上層部が伝えたとしても無理だろう?等と考えながら眠りに落ちていく
どれ位眠っていたのだろう。騒がしさに意識が浮上していくどことなくまだ重い瞼を何とか開けるとそこには心配そうに加瀬を見ている迅や嵐山達19歳の隊員達が揃っていたのだったー……
74人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クーシー | 作成日時:2022年5月25日 21時