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第七十四話:聖殿パラミデス  一章 ページ26

アイゼン「まず、岩から切り出した巨石を浅瀬に積み上げる。壁で囲いを作り、海水を掻きだしたら、囲いを広げる

それを繰り返し、ある程度の広さを確保したうえで、海底を掘削して行ったんだ」

ロクロウに聞かれたアイゼンは聖殿がどのようにして作られていったのかを答える

ロクロウ「気の遠くなるような作業だなぁ」

一度アイゼンの答えに目をパチパチとさせるとロクロウは何とも言えない表情をし言う

カディ「そういう気の遠くなるようなことをしてでも造りたかったんだろ?」

ロクロウが戻ったことでカディッシュも戻り、その言葉にカディッシュはキセルをクルクルさせ興味は無さそうに言う

アイゼン「ああ。人間たちは、困難を乗り越えて聖殿を築くことが、聖主への信仰心を示すことになると考えたんだ」

カディッシュの様子にアイゼンはため息のような息を吐くとその言葉に頷いて言う

エレノア「補足させていただくと、最近の研究では、もともとこの神殿は海岸付近にあったと言われています」

止まっているテラリア達の側に来たエレノアは聞こえていたのだろう、アイゼンの説教を補足する

アイゼン「……?俺の説明が間違っているというのか」

そのエレノアの補足にアイゼンは何が間違っている?と聞く

エレノア「いえ、私が読んだ学術書には、そのように書いてあったものですから」

アイゼンの説明は間違っていないと軽く首を振ると本から得たものだとエレノアは言う

ロクロウ「海岸にあった遺跡がどうやって海に潜ったんだ?」

エレノアの補足にロクロウは隣にいるカディッシュに疑問をぶつける

カディ「あ〜?あ〜……地震とか天変地異とかで沈んだんじゃねえか?」

ロクロウの疑問に興味がないのか、クルクルとキセルを回しながら目を一度瞑って言う

エレノア「はい、そうです。四聖主が眠りに着いた際の地殻変動でこの聖殿は海中に沈んでしまったそうです

ですが、石の重みと海の砂のおかげで建物は密閉されていることが判明しました

そこで、人々はここにつながる海底洞窟を掘って、現在のような形になったということです」

カディッシュの興味がないながらに言った言葉にエレノアはそうだと頷くと更に詳しい事を言う

フィ「そういえば、僕も読んだことある。『最新版・古代遺跡建築理論』だよね」

エレノアの説明にライフィセットは思い当たるものがあり、エレノアも見ていたのかとどことなく嬉しそうに言うのだったー……

第七十五話:聖殿パラミデス  二章→←第七十三話:聖殿パラミデスへ  五章



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作者名:クーシー | 作成日時:2018年2月4日 20時

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