第六十六話：ハリアでの解読１０ ページ18
フィ「え、えと……何かずっと黙ってたから……」
少し言いにくそうだが心配そうにライフィセットはユルールに言う
テラリア「(そういえば……ユルールはずっと喋っていなかったな……)」
ライフィセットの言葉にテラリアは解読の話の最中を思い出しながら思う
マギルゥ「ようするに、話を聞いとらんのじゃろ？と、いうことじゃな」
ニヤニヤとどこか面白そうにマギルゥがユルールに言う
ユルール「あ……うん、ごめん。ちょっと考えてたから……」
マギルゥの言葉にユルールはハッとすると申し訳なさそうに頷き言う
エレノア「何を考えてたんですか？それとも具合が……」
古文書の近くからエレノアが心配そうに顔を覗き込むようにしながらユルールに聞く
ユルール「取り敢えず具合は悪くないから安心して。歌の内容について、かな？」
エレノアの言葉に落ち着かせながらユルールが言うとエレノアとライフィセットの二人同時にホッとしたのか息を吐く
テラリア「(むー……まただ……ユルールだけに限らないが考えていることと言っていることが違う……)」
ユルールの言葉にテラリアは他の全員に当てはまり、考え思うことと言うことが合っていないと感じていた
アイゼン「何を考えていた」
エレノアとライフィセット、気付いていないがテラリアを見たアイゼンが聞く
ユルール「"穢れ"喰らうってあったけど、それは"呪い"なんじゃないかな……って(聖隷から外れることでどうにかしようとした……)」
目を瞑ってユルールはアイゼンに答えながらも言わずに飲み込んだものもある
アイゼン「 ！ ……」
カディ「……」
ユルールの言葉に聖隷の誓約を知っているアイゼンとカディッシュは顔を顰める
ベル「"呪い"……？」
アイゼンとカディッシュの反応に気付かずユルールにベルベットが聞き返す
ユルール「うん。強い力を得るためには代償がいる……例えば」
ベルベットの言葉に頷くとユルールが言う
テラリア「(強い力を得る……)"誓約"……だな、ユルール」
頷き言うユルールの言葉に気付いたテラリアはユルールの言葉を遮り言う
ユルール「うん。"誓約"は重いもの程強い力を得ることが出来るけど、破ったときの反動も大きい……
"呪い"も"誓約"とかまじないとかと原理は同じだからね
"呪い"と"誓約"は紙一重……それは誰かを苦しめる何かになるか、力となるか、だから」
テラリアが遮ったことには何も言わず頷き、ユルールがそう言うのだったー…
第六十七話：ハリアでの解読 終→←第六十五話：ハリアでの解読９
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作者名：クーシー | 作成日時：2018年2月4日 20時
