〔TOB〕業魔と共に行く聖隷２ (ページ50)

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if：ロクロウが人間だったら……５ページ50

パチッと目を覚ましたロクロウはキョロキョロと回りを見る

横になる自身のすぐ側に腕を組み壁に寄りかかって眠るカディッシュ、離れた場所にマギルゥとビエンフーが眠っている

ロクロウ「俺は……」

何があったのかを思い出そうとしてぼんやりしていると

「起きた？」

その言葉にロクロウは声がする方向に顔を向ける

丁度カディッシュの反対側に青みがかった白銀の長い髪を持つユルールがいた

ロクロウ「……ユルール……？」

起きていることにも側にいたことに少し驚いて名前を呟く

ユルール「うん」

小さく笑みを浮かべ頷く

ユルール「体は大丈夫？」

ロクロウが何かを言おうとするが、それよりも早くユルールが心配そうな表情になると聞く

ロクロウ「あ、あぁ……」

思わず直ぐに表情を変えるユルールに驚いて少し詰まりながら答える

ユルール「そう、良かったぁ」

詰まりながら言ったことは気にせずユルールはロクロウの答えに安心したように表情を変える

「……何やってんだ？」

そんな言葉にユルールの反対側を見ると右目を閉じたまま左目を開けた状態のカディッシュが呆れたようにロクロウとユルールを見ている

ロクロウ「カディッシュ……」

ユルール「起きてたのかい？」

少しだけ驚きながらロクロウはカディッシュの名前を言い、ユルール起きていたことに驚いて起きていたのかと聞く

カディ「つい今しがたな。マギルゥお前も起きてんだろユルールと替わって見張れ」

一旦両目を閉じてはぁと息を吐くとカディッシュはマギルゥに向かって言うともう一度目を閉じて眠り始める

マギルゥ「……言うだけ言って寝るのかえ？うぅ～寝させてても良かろうに～……」

ビエンフーを起こして簡単に運動して起きる

ユルール「カディは僕が見ておくって言うまでずっと起きてたんだよ」

クスッと小さく笑うと小さな声でロクロウに言う

マギルゥ「過保護じゃて」

やれやれというようにマギルゥはユルールに言う

ビエンフー「そうでフネ～……」

寝ていたところを起こされたビエンフーはマギルゥに同意するとグーともう一度寝るが、空かさずマギルゥが起こす

ユルール「それだけロクロウのことが大切だってことさ」

そう言うとユルールは、僕も寝るね。お休み……とそのまま直ぐに寝る

ロクロウ「……」

ユルールの言葉に眠るカディッシュを見る。暖かい気持ちが広がり小さく笑うとロクロウは再び眠るのだったー……