〔TOB〕業魔と共に行く聖隷２ (ページ35)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:3,680 hit

第八十三話：パラミデス５ページ35

「な、なんだ貴様達は！？」

ようやく入口からずっと続いた階段が終わると、その先には対魔士達がいた

先に入り込み、業魔にやられてしまった対魔士達の側に座り込んで介抱している場に降りてきてしまったようだ

カディ「(鬱陶しい潮風……面倒くさい地形……溜まりに溜まってるんだよなぁ……)」

普段は冷静ながら海が近いせいか髪や服が身体に纏わり付き、ましてや前線で戦うカディッシュは魔物や業魔から海水を浴びせさせられ来たこともあり

妨害しようとする対魔士は不幸なことにカディッシュの我慢ゲージを振り切らせた。結果我慢してきた鬱憤諸々が爆発しました

ベル「邪魔よ」

静かにキレたカディッシュの側でベルベットが武器の刺突刃を構える

ユルール「ってカディ？」

アイゼンとロクロウ、マギルゥにエレノア、テラリアとライフィセット、ユルール全員がそれぞれの武器を構えたところでカディッシュが対魔士達の下へ歩いていくことに驚いたユルールが彼の背中に名を呼び掛けるが反応しない

ロクロウ「急いで離れるぞ」

ユルールの声掛けにも反応しないカディッシュにロクロウはカディッシュを見る

目の前を通った瞬間、彼の様子にキレているとわかったロクロウは直様小太刀を戻し、横にいたアイゼンに離れるように言う

ベル「は？なん」

カディッシュの反応しない様子にロクロウの素早い行動が重なりベルベットは頭に？を浮かべる

フィ「ベルベット……！」

テラリア「急いだほうがよさそうだ……！」

来た道を戻った２人から視線を戻したライフィセットとテラリアはカディッシュを見る。バチリッ！とカディッシュの体から雷が漏れ出ているように見える

慌てて２人はベルベットの背中を押し、手を引いてロクロウ達のように来た道を戻っていく

ベル「ちょっ、ちょっと！」

わけも分からずライフィセットとテラリアに連れ出されるベルベットの叫びだけが残される

エレノア「どういう……？」

マギルゥ「こりゃ、急いだほうがよさそうじゃの〜……」

ユルール「そのようだね……！ごめん！」

エレノア「あ、ちょっと！？」

続けて焦り去っていく彼らの声を聞きながら

カディ「魔物やら業魔やらから海水は浴びせさせられるはでむしゃくしゃしてたんだ。お前らで晴らさせてもらうぜ」

カディッシュは恐ろしさを感じる笑みを浮かべ言う

それって八つ当たり…！

とカディッシュへ叫ぼうとした対魔士達の叫びは彼から放たれる雷撃に掻き消されてしまうのだったー……