〔TOB〕業魔と共に行く聖隷２ (ページ33)

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第八十一話：パラミデス３ページ33

テラリア「あぁ、あれか。私も読んだことがある。いずれ行ってみたいと思いながら読んだよ」

ライフィセットの言葉にテラリアも何か思い出したように頷くとどことなく楽しそうに言う

エレノア「はい。アイゼンは読んだことありますか？」

ライフィセットとテラリア２人の様子にエレノアは微笑ましそうに見ながらアイゼンに聞く

アイゼン「……いや、俺が読んだのは初版だ」

微笑ましそうに見ているからか嬉しそうに言うエレノアにアイゼンは徐々に声が小さくなりながら彼女に答える

テラリア「先程のアイゼンが言った石を積み囲いを広げていく場合、内側に残る石を取り除くことが必要となり、あまりにも非効率だ、と指摘があったな」

確か……と思い出しながら最新版・古代遺跡建築理論の内容とアイゼンが言った説明の部分を取り上げて言う

エレノア「はい。テラリア様が言うように指摘があり、そこから研究が進められたんです

最新版では、定説がいくつも覆されていて、とても興味深いので、ぜひ読んでみてください」

テラリアの様子と言葉にエレノアは優しげな笑顔を浮かべ頷くとアイゼンに最新版の古代遺跡建築理論を勧める

アイゼン「お、おう」

テラリアに向けた笑顔のまま言うエレノアにアイゼンは詰りながら頷く

ロクロウ「なんか……アイゼンの説明、全否定してないか？」

テラリアも言ったが、主にエレノアの言葉にロクロウがえー……と微妙な表情で隣のカディッシュに聞く。聞かれたカディッシュは肩を竦める

エレノア「あ、いえ……そういうつもりでは……」

カディッシュ以外はユルールが何やら呟いたことに気が付くことなくロクロウと同じく微妙な表情をするベルベットにエレノアは慌てて否定する

アイゼン「……考古学というのは、疑問と検証の繰り返しで、日々、学説は変化するものだ。気にするな……」

慌てるエレノアを含め言うが、誰がドウ見てもアイゼンは落ち込んでいる

カディ「それ、気にしてる奴の台詞だろ……」

落ち込むアイゼンにカディッシュは首を軽く振って呆れる

ベル「どっちだっていいわ。先を急ぐわよ」

同じく呆れたベルベットは溜息を吐くと先を促して階段を降りていく

〜

ベル「ここに聖主はいないのよね、アイゼン」

少し階段を降りたあたりでベルベットが立ち止まって後ろを振り返り、アイゼンへと確認をするのだったー……