〔TOB〕業魔と共に行く聖隷２ (ページ15)

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第六十三話：解読の間２ページ15

人間がいない場所に着くとカディッシュはキセルを吸い始める

ロクロウ「……どうしたカディッシュ？随分機嫌が悪いな」

カディッシュの何かに気付いたロクロウが聞く

カディ「ん？いや大したことじゃない」

ロクロウの言葉に首を振りカディッシュは何でもないと答える

ロクロウ「……お前が俺を二十二年見てきたように、俺もカディッシュのことを二十二年見てきた。機嫌が悪い時、怒っている時キセルを吸うだろう」

カディッシュの顔を覗き込みながらロクロウが真剣に言う

カディ「……そうだな……」

ロクロウの言葉に驚いたようにカディッシュは目を見開くとフッと優しく笑いくしゃくしゃと自身の前髪を掻く

カディ「(俺がロクロウをずっと見てきたようにロクロウもずっと見てきた。だから、周りは気付かない些細なことでも気付く……か……)

俺達聖隷の意思や自由奪うだけじゃ足りねえんだろうな聖寮は……どうして、俺達のようにできねえんだろうな……俺達聖隷と人間は………」

ロクロウの言葉に嬉しそうにするカディッシュだが思っていることを言うと悲しそうな表情をする

ロクロウ「カディッシュ……」

カディ「しゃあない、のかもしれないが……まっ！俺はロクロウといる！それだけで充分だ」

カディッシュは切り替えるように言うとニッとロクロウに笑いかける

ロクロウ「応！」

カディッシュの言葉の意味にロクロウは同じくニッと笑う

ベル「何やってるのあんた達」

笑っているとベルベットがちょうどやって来た

カディ「おう、ベルベット」

ロクロウ「グリモ先生とは、ライフィセットもよく言ったもんだ！」

スッキリしたように答えるカディッシュとニッとロクロウはベルベットに言う

ベル「姐さんと呼ぶなと言われたから、他の言い方を考えたんでしょ」

ロクロウの言葉にベルベットは淡々と答える

ロクロウ「それだけ解読を手伝いたかったってことさ。"自分"ってヤツができてきたな、あいつも」

ニッとしながらロクロウはベルベットに言う

ベル「……そうね」

考えるような少しの間の後ベルベットはロクロウの言葉に同意する

カディ「そうだろ。簡単に言えばあいつはこの間まで何にもない赤子だったんだ。それがそんだけ成長したってことだよ(ロクロウもそうだったもんな～)」

ロクロウの言葉にカディッシュは昔のロクロウのことを思い出し、染々としながら言うのだったー…