〔WT〕孤独なスナイパー

第十一話：絵馬と鳩原 ページ14

ドンッ、ドンドンッ

スナイパーの訓練室で唯一人１０００m以上を黙々と撃ち続けていた

閃「ふぅ……」

５００発以上は撃った頃に休憩するために撃っていた体勢を止め息を吐く

「閃さん……」

後ろにある椅子に座る少し前に後ろから閃を呼び止める声に振り返る

閃「ユズル？どうした？」

後ろにいたのは影浦隊の絵馬ユズルだった

昔ユズルの師匠の鳩原が嬉しそうに閃にユズルを紹介してから繋がりがある閃の弟子のような存在だ

ユズル「オレの射撃を見てもらいたくて……」

遠慮がちにユズルが閃に言う

閃「ああ、いいぞ」

弟妹と同じ位のユズルの頼みごとに快く頷く

ユズル「良かった……あの人師匠面するしうるさくて大変だから閃さんが引き受けてくれて本当に良かった」

ホッとしたようにユズルが閃に言う

閃「あー……当馬の奴またか……ユズル、お前も大変だな」

ユズルの言葉に納得した閃は当馬がどのようにユズルに絡んで……教えているのか容易に想像がつく

ユズル「オレの師匠は鳩原さんと閃さんだけだ」

キッパリと閃の言葉にユズルが言う

閃「……俺はほとんど何もしてないんだが」

視線をさ迷わせ、ユズルの言葉に「あー……」と乾いた声を出す

ユズル「ううん……鳩原さんが任務でできない時、閃さんが鳩原さんと同じことを教えてくれた」

首を左右に振って閃の言葉にユズルが言う

閃「……最初に『鳩原には俺も学ぶことがあった。その恩を返せるならって』ってそう言ったと思うんだが？」

困ったようにユズルの言葉に閃が思い出しながら言う

ユズル「そう思ってるのは閃さんだけだよ」

首を左右に振って閃の言葉を否定してユズルが言う

閃「そうか？」

多少納していない表情をするが閃はユズルに聞き返す

ユズル「そうだよ(鳩原さんも言ってたけど口だとああ言うけど、気にしてしょっちゅう面倒見てくれたりするし……

たくさんの弟妹さんがいるから面倒見が良いし、世話好きだからって……まぁ、本人に世話を焼いてるっていうその自覚が無いんだけどね)」

ユズルは閃の言葉に頷くと内心で閃のことを考える

閃「ユズル、どうした？」

考えるユズルに閃は目線を合わせるように屈んで聞く

ユズル「ううん。何でもないよ閃さん。それじゃあお願いします」

首を振って何もないと答えると閃にもう一度言う

閃「ああ。了解だ」

ユズルの言葉に閃が頷くと、二人は移動する

射撃をしていると当馬が絡ん？できたのは言わずもがなであるー…

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