運命の相手は因縁の相手でした2

bluestory28 ページ16

松村side


俺は1時限目の授業をサボり


嶺亜の病室へ来た。


俺の存在なんて誰も気にしていないから


サボり放題。


そんな事を考えながら入った病室には




渡辺翔太がいた。



翔「こんにちは。」


嶺「あ、北斗！」


渡辺くんが浮かべているのは


にこやかな笑顔。


あの日の冷ややかな視線なんてどこにも感じない。


翔「前は僕、失礼なことしたんですよね？覚えては無いんですけど...ごめんなさい。」



北「覚えてないんだ...。」


翔「僕...解離性同一性障害っていう病気なんです。」


その話は


昨日神宮寺先生から聞いた。


解離性同一性障害。


簡単に言えば


二重人格になる障害。


伝説的に言われてきて、本当になる人はほとんど居ないらしい。


そのせいで彼はすごく辛い思いをしている。


彼の中には


渡辺翔太Aと、渡辺翔太Bがいる。


渡辺翔太Aの時に怒った出来事の記憶は


渡辺翔太Bにはないって訳だ。


もちろん逆も然り。


照はその事を知らないらしい。


神宮寺先生は


『彼の場合は、薬で何とか時間帯を決められるんだ。』


って言っていた。


渡辺翔太A(良い方)は大体夜〜朝


渡辺翔太B(怖い方)は大体学校へ行く時間帯


なんだそうだ。


北「好きでなってる訳じゃないことくらい知ってる。あんま自分を責めんな。」


そう言ってやると


翔「...ありがとうございます。」


と少し複雑そうに目を伏せた。


嶺「そうだ、北斗。聞いて？」


北「...ん？」


嶺「翔太くんの携帯にメールが届いててね...」








"戦争を明後日の夜明け仕掛ける 岩本照"








北「妥当なタイミングだ。」



嶺「そうだね。」









樹の解放まであと2日。




嶺亜の退院まであと1日。




末澤の解放まであと3日。




歯車はもう既に




狂いだした。

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