甘い香りと夜の華 ページ10
Aside
夕方、日も沈み始めた頃
ガチャ...
ドアが開くような音がした。
「あ、帰って来た。」
大ちゃんが玄関の方を見ながら言う。
その宣言通り
ひとつの影が玄関のドアを開けた。
「ただいまー。って、誰の女？」
少し驚いたような表情を浮かべる彼。
そしてその表情は直ぐに苛立ちのようなものに変わった。
なんで、そんな嫌な顔するんやろ。
「新しい同居人ですよ。」
大ちゃんがフォローを入れるように紹介してくれる。
「有栖川Aと、雨宮麗衣です。よろしくお願いします...！」
ペコッと頭を下げると
頭上ではあからさまに機嫌の悪そうなため息。
「女が居ると、めんどいねん。」
そう、聞こえた気がした。
「ちょ、誠也くん...！！」
大ちゃんに、「誠也くん」と呼ばれたその人は
そのまま部屋に入っていく。
他の人が優しすぎたから
甘えとった。
ほんまはこういう反応が普通やねんな。
自分の甘えやと、心を落ち着かせる。
「ごめんな？ほんまはええ人やねんけど、ちょっと...。」
悲しげな顔の大ちゃん。
ううん、と首を横に振っていると
「大吾、お前余計なこと言うなよ。」
後ろからあの人が歩いてきてそう言い放ち
テーブルからチョコレートを取り口の中に放り込んで
玄関へと歩いていった。
「誠也くん、今日もですか？」
心配そうな表情を浮かべる大ちゃんに
「お前には関係ないやん。」
と冷たい返事。
こんな優しい大ちゃんに冷たい彼に
怒りが込み上げてくる。
「そんな言い方...、大ちゃんは心配しとるだけやのに...！」
そう放った言葉は
彼の耳に届いたのか届かなかったのか
彼が振り向くことも無く
玄関の扉は音を立てて閉まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 290人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲良(プロフ) - .°・ ふ が き ょ ろ ・°.さん» ありがとうございます(*´ω｀*)最近学業の方が忙しくてなかなか更新できないのですが、頑張ります！ (2020年6月13日 23時) (
レス) id: 9a27e5dd2d (このIDを非表示/違反報告)
.°・ ふ が き ょ ろ ・°. - 咲良さん» 大丈夫です！このお話好きなので、頑張って下さい！応援してます！~~\(*^∀^**)/~~ (2020年6月13日 22時) (レス) id: 916101ae8f (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - .°・ ふ が き ょ ろ ・°.さん» コメントありがとうございます(*´ω｀*)TikTokやってますよ！もしかしたらどこかでお見かけしたのかも...。記憶力無くて申し訳ないです！ (2020年6月10日 10時) (レス) id: 9a27e5dd2d (このIDを非表示/違反報告)
.°・ ふ が き ょ ろ ・°. - すみません！誤字りました！正しくは『もしかしたらとおもっただけなので』です！間違えてしまい、申し訳ないです！ (2020年6月7日 22時) (レス) id: 916101ae8f (このIDを非表示/違反報告)
.°・ ふ が き ょ ろ ・°. - 涼音様とつながっているんですよね、、、もしきしたらとおもっただけなので、こっちの勘違いだったらすみません！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年6月7日 21時) (レス) id: 916101ae8f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲良 | 作成日時：2020年4月17日 0時
