夢の国 ページ38
正門side
「正門くんありがとうございます。みんな連れてきてくれて。」
正「いや、こちらこそ。合流させてもらっちゃってごめんね？」
「いえ！人数多い方が楽しいですやん！」
正「そっか、良かった。」
「あ！あれ乗りたい！！」
正「ん？」
Aちゃんが指を指したのはコーヒーカップのようなもの。
正「お、ええやん。コーヒーカップね。」
『こちら今の期間は2人乗り限定となっております。』
という張り紙を見つけ、Aちゃん以外の表情が凍りつく。
風「誰と乗るん？2人乗りやけど。」
「えー、2人乗りなん？」
恭平の方をじーっと見つめるAちゃん。
まぁ同い年で同期やしな。
恭「俺は...乗らん。」
「あ、恭平コーヒーカップ苦手やもんね。笑」
恭「うるせぇ。」
意外。恭平なら苦手でも一緒に乗りそうなのに。
それだけ余裕って事なんかな。
って俺、余裕無さすぎやろ。
「じゃあ、正門くんと乗りたい...。」
え、嬉しすぎるんやけど？
「...じゃあ。とか失礼や、ごめんなさい。でも、正門くんと乗りたい...です。」
正「謝らんといて？俺も乗りたいと思っててん。」
じゃあ列に並ぼか...と言おうとした時、隣のアトラクションを見つめていた斗亜と目が合った。
正「斗亜？あれ乗りたいん？」
斗「僕は...大丈夫です。どうぞ行ってきてください！」
気ぃ使ってるやろ。ええ子やからな、斗亜は。
もう恭平は斗亜と沢山乗ったのだろう。ヘトヘトな顔をしていたし、風雅は絶叫系好きちゃうって言っとった。
他の3人はAちゃんに夢中やし、メンバーはAちゃんに似合うカチューシャ買うてくる言うて出て行った。
ってことは...。
「正門くん...？」
正「...ごめんAちゃん。俺、やっぱり乗れへん。」
「...そっか。」
正「西村、俺の代わりに一緒に乗ったってや。」
拓「...へ？」
正「...斗亜、あれ乗りに行かへん？俺、あれ乗りたくなってしもーた。」
「なにそれ...。」
Aちゃんの唖然とした声。
あぁ、嫌われてもうたかな。
正「行こ？」
早くその場を離れたくて、返事も聞かずに斗亜の手を引いて走り出した。
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作者名：咲良 | 作成日時：2019年8月21日 18時
