▽続き ページ32
恭平side
「んっ、、。」
太ももをなぞるだけで声を出す彼女は、まだ未経験なのだと思い、頬が緩んだ。
俺だけのモノにしたい...。
強引に唇を重ねると彼女はそれを受け入れた。
早く止めろよ...暴走しちゃいそう。
「...きょ...へ。」
俺は彼女の首筋に唇を落とした。
俺が好きって気持ちに気づいたのはかなり前だ。
相手は全く気付いていない。
...早く止めろって。俺は自分を制しながら撮影を進めていった。
俺の事好きじゃないのに強引に...なんて最低だもんな。
『はい、おっけーです！ありがとうございましたー。』
そんな事考えていたはずなのに、実際スタッフさんに止められるともうちょっと...なんて思ってしまう。
「緊張したね...。」
そう言って微笑む彼女の首筋には、キスマークが付いていた。
恭「せやな。...ごめんな。」
「さっきのさ...。」
恭「ん？」
「私も相手が恭平で良かったよ。」
恭「...そっか。良かった。」
俺はワイシャツのボタンを上まで閉めて、彼女の首筋に絆創膏を貼ってあげた。
「え...なに？」
恭「ケガしてたで。」
「え、ほんま？やば！」
恭「ほんま。どうやったらそこケガするん？」
「ありがとう、絆創膏。」
いつもこうやって俺の心を掻き乱す。
俺はお前が好きなんや...。
いつになったら伝えられるんやろ...な。
ー楽屋にてー
和「Aちゃん！その絆創膏どしたん！？」
「ケガしたからー。」
丈「撮影中に？」
「わからんけど、撮影後に恭平が絆創膏貼ってくれたん。」
和「そっかぁ、ええやつやんなー。」
丈「ちょっと見してみ？」
「あんまり痛くないねん。ええよ。」
丈「やっぱりか...。」
恭「お疲れ様っしたー。」
丈「お疲れ様ちゃうわ！これ説明せいや！」
恭「あ、バレました？」
「これってもしかして...」
彼女は自分の首筋に手を当てると
「キスマーク？」
...図星。
丈「お前なぁ...撮影なら何してもええ訳ちゃうねん！」
「丈くん！」
丈「なに？」
「恭平は私を庇ってくれたんよ。でも私がやるって言うたん。だから恭平は悪くないで。責めんといて？」
丈「そっか...。早とちりして悪かった。」
恭「いや、こちらこそ。A庇いきれなくてすみませんでした。」
和「仲直りー！いぇーい！」
「いぇーい！」
恭「いぇーい！」
丈「うるさいわ！笑」
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作者名：咲良 | 作成日時：2019年8月21日 18時
