▽続き ページ26
楠野side
「恭平おる？？入るでー？」
恭平の家の合鍵をなぜか持っている私は、合鍵を使って中へ入る。
「...こんなとこで寝たら風邪ひどなるやん。」
リビングのソファーで苦しそうに眠る恭平。
...まぁこれしかないか。
「よいしょ...。」
恭平の細い身体をお姫様抱っこで持ち上げると服の上からでも熱があるのが分かった。
恭「ん...？...A、なんでおるん？」
「風邪引いたんやろ？看病したるわ。」
恭「...引いとらん！大丈夫やし。」
「なんで頼らんの？私同期やし同い年やし、1番寄り添える存在のはずやん。少しは頼ってや！」
と言って無理やり布団に恭平を押し込む。
すると観念したのか小さな声で言う。
恭「...お腹空いた。」
「ん、作ってくるわ。お粥？ゼリー？」
恭「...お粥。」
いつもこれくらい素直だったら可愛いのに。
「はい、お粥とお薬。ちゃんと病院行ってきたんやね。偉い。」
恭「...ん。」
ダルそうに口をあーっと開ける恭平。
「食べさせて欲しいん？」
コクっと頷く。
「ほら、あーん。」
恭「...美味しい。」
「良かったー。料理は得意やねん。」
恭「...ごちそうさまでした。」
結局、全部残らず食べてくれた。優しいんだから。
「お薬も飲んだし、寝な？寝たらすぐ良くなるでな。」
恭「...おん。」
「じゃあ、私帰るで？無理は禁物！」
恭「...もう少しここに居って？」
普段とは違うとろんとした目で甘えてくるから、拒否れるわけなくて...。
「分かった。じゃあ冷えピタ買ってくる。」
恭「絶対戻ってきてな...？」
「分かっとるって。笑」
私が冷えピタを買って戻ってくると、恭平は寝ていた。
「ちょっと冷たいけど...ごめんな？」
冷えピタを貼るとピクっと動く。
「...これからも頼ってな。」
彼のまだ熱の残る頬に手を置いて見ていたらなんだか眠くなって、私もそのまま寝てしまった。
丈「恭平、大丈夫か！？」
大「Aちゃんは！？」
和「しーっ。寝とる。」
丈「ほんまは仲ええもんな、こいつら。」
大「幸せそうな顔しとる。そのまま寝かせといたろ？」
和「俺たちもここ泊まってくかー。」
丈「せやな。」
この後、面倒見のいいお兄様方のお陰で恭平の風邪は3日かからず回復しました。
「恭平！鏡そろそろ譲ってや！」
恭「あと1時間...。」
「もうほんま有り得ん！」
恭「こっちのセリフや。」
丈「仲ええな。」
和「んな。」
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作者名：咲良 | 作成日時：2019年8月21日 18時
