人生リセットボタン2【スコッチ】 (ページ25)

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「一服するのもいいですけど、ライに連絡はしておかないと。……にしても、目印にコインって。映画じゃないんですから」
「わかりやすかったろ？」

　思い出したように言った安室に、にっと笑う。呆れたような目を向けられた。まだ長く余ったタバコの火をかき消してマッチ箱の中へ葬る。扉に立て掛けたのは500円玉だったか。ちゃんと見つけてもらえてよかった。

　さて、ライに連絡を入れるのは勿論のこと、さっさと始末して部屋から撤収しないと。そう考えた矢先、苦痛に歪んでいた呻き声が笑い声に変わった。視界の端にいた小枝村が、いつの間にか身体を起こしてこちらを睨んでいる。

「ライ、はコードネームか……。そうか、黒ずくめの……ふふ……」
「小枝村、あんた何をやったんだ？名が知れているとはいえ、ただの殺し屋を組織が狙うとは思えない」
「さぁな……地獄でジンに聞くがいいさ」

　キン、と金属が弾ける音がした。逆方向に折れ曲がった右腕を構いもしないような顔で、嗚咽に塗れながら小枝村が笑っている。その手元がぎらりと光っていた。

「──ッ、零！」

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