Charismatic Spiritual Rulers ページ18
「似合わない。」
はっきりそう告げると、彼女の表情が曇った。くっきり引かれているけれど、ブラウンが優しげな印象をもたらしているアイライン。押し付けがましくない程度に色づく頬。然程濃い訳じゃないし、別に似合わないなんて思っていない。何したって可愛いことに変わりはないのだから。
「そういうのって最近の流行り？俺疎いからよく分かんないですけど。」
「流行りっていうか…。」
「まぁ何でもいいけど。」
困ったような表情で彼女は自分の指をさわさわと落ち着きなくいじっている。多分俺にこう言われてどうしていいか分からないのだろう。いちいち俺の発言に左右されるところが可愛いと思えてしまうのは歪んでいるのだろうか。
いや、歪んではいない。表現の仕方は歪んでいるかもしれないけれど、根本的に加虐心っていうのは少なからず男に宿っているものだと思っている。
「Aちゃんさぁ、そうやって流されるからダメなんですよ。」
「え、」
「だから俺ともこうなっちゃったんでしょ？まだつき合ってるんですか？浮気症の彼氏さんと。」
嘲るようにそう言うと、彼女は大きな瞳を潤ませて俺を見つめる。酷いとでも言いたげな顔をしているけれど、自分も人のことを言えないからか言葉を発せずにいる。
「さっさと別れて俺とつき合えばいいじゃないですか。」
「…羽生くんは、あたしのこと好きじゃないでしょ。」
「出た、決めつけ。何でそう思うの？Aちゃんのこと好きですよ。」
「…絶対嘘。」
「人のこと責められる立場じゃないでしょ。簡単に足開いちゃうんだから。」
かあっと赤く染まる頬はきっとチークのせいじゃない。そういう反応が良くないのに。男の心理ってものがまるで分かってないなと思ってしまう。
「今日もここに来たってことはそういうことですよね？」
否定も肯定もせずに俯いてしまったAちゃんの手を引いて、自分に跨がらせる。下から顔を覗き込むと、傷ついたような表情でAちゃんは俺の目を見つめた。
「Aちゃんが望むなら、楽にしてあげる。」
首筋に吸い付くと、そろそろと俺の首に回される腕。彼女は本当に馬鹿だ。こんなにも想っている人間が近くにいるのに、甲斐性もない男に振り回されているのだから。逆を言えば俺も大概馬鹿ということになるけれど。
全てが済んだあと、気怠い雰囲気が部屋を漂う。慈しむように至る所にキスを落とすと、艶っぽい溜息が漏れた。
Charismatic Spiritual Rulers 2→←大人の余裕ってやつ？ 4
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はなこ(プロフ) - るりさん» 初めまして！コメントありがとうございます！そう言っていただけると本当嬉しい限りです(；＿；)シーズン始まってオータムクラシックを終えここからだなぁと楽しみです♪更新も近々したいなと思っているのでよろしくお願いします(´>_<`) (2015年10月21日 21時) (
レス) id: 69df3ca31c (このIDを非表示/違反報告)
るり(プロフ) - はなこさん初めまして。書かれるお話がどれもツボで、何気にその時の結弦くんとリンクもしているお話も多くていつもドキドキニヤニヤwしながら読ませていただいてます！シーズンが始まりワクワクするプログラムで幸せを感じてます！またお話楽しみにしてます（＾ν＾） (2015年10月21日 18時) (レス) id: d42f8a3817 (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - ゆったんさん» いつもありがとうございます♪少しでも癒しになったならそれは嬉しいです！色々と大変なこともあるかもしれませんが、無理なさらずに(>_<) (2015年9月13日 0時) (レス) id: 69df3ca31c (このIDを非表示/違反報告)
ゆったん - はぁ〜、今回の話、すごく癒されました！最近あまりいいことがなかったので、優しく諭されているような気分になりました。ありがとうございます！次も楽しみにしてます (2015年9月10日 23時) (レス) id: 56a839c14f (このIDを非表示/違反報告)
はなこ(プロフ) - りまさん» りまさん、コメントありがとうございます！お優しいお言葉までかけていだき本当ありがたい限りです(；＿；)そうなんですよね〜！こんな風に甘やかされたい。。(笑) (2015年9月7日 0時) (レス) id: 69df3ca31c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなこ | 作成日時：2015年5月25日 23時
